ソウル麻浦区新孔徳洞(マポグ・シンコンドクドン)事務所の他に、恩平区磻洞(ウンピョング・ノクボンドン)と瑞草区方洞(ソチョグ・パンベドン)3つの洞事務所でも、李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長本人と家族の住民登録抄本が発給された事実が、15日新たに明らかになった。
だが、この抄本を誰が、なぜ、どう利用したかは依然としてベールに隠されている。
1ヵ所で発給すれば噂が立つか、疑われることを憂慮し「見えない手」が緻密に時差をおき、3ヵ所で分散し発給させたという疑惑まで起きている。
先月12日、李前市長側の偽装転入疑惑を提起したヨルリン・ウリ党の金爀珪(キム・ヒョクギュ)議員側が入手した住民登録抄本も、どのような経路で入手されたのかを、めぐって政界と検察の周辺ではあらゆる説が出ている。
▲誰が、どうして発給したか〓先月13〜15日に碌磻洞と方背3同の役場で発給された住民登録抄本は合わせて6通。李前市長本人と婦人の金ユンオクさん、子どもたち(1男3女)など李前市場家族の抄本がすべて発給された。
先月7日、新孔徳洞事務所で発給された抄本は李前市長の夫人の金氏、李前市場の長兄の李サンウン氏、李前市長の妻の弟である金ジェジョン氏など3人のものだった。
碌磻洞と方背3洞で発給された住民登録抄本を申し込んだ人は、法律事務所の住民書類の発給を代行しているナ(69)容疑者だ。ナ容疑者は朴(パク)容疑者から頼まれ抄本の発給を依頼したという。
朴容疑者は政界と関連のあるある弁護士事務室の事務長を勤めたという。ソウル恩坪区役所は13日、この事実を確認するやいなや、西部警察署にナ容疑者を告発しており、西部警察ではナ容疑者を被疑者の身分で調査した後、14日にソウル中央地検に事件を渡した。警察の関係者は「ナ容疑者の背後があるものと推定されるが、ナ容疑者が沈黙で一貫している」と話した。
事件の鍵を握っている朴容疑者は他の事件に巻き込まれ指名手配中だ。検察は、朴容疑者の身柄を確保することに力を入れている。
新孔徳洞と違い、碌磻洞や方背3洞で発給された住民登録抄本には、李前市長の子ども4人のものが追加されているという点が特徴だ。
発給された時点も先月12日、金爀珪議員が李前市長側の偽装転入疑惑を提起した直後という点で、李前市長と関連する他の疑惑を明らかにするために、子どもたちの抄本まで発給したものと推定できる。
▲金爀珪議員が暴露した抄本の出処は〓検察は新孔徳洞で発給された抄本が金議員側に渡された可能性を排除していない。
しかし、法務士事務室の社員を通じ、新孔徳洞で抄本を発給した疑いで同日拘束された権(クォン)(64)容疑者は、朴槿惠(パク・グンヘ)前ハンナラ党代表キャンプのホン氏に渡したと主張している。
金議員側は、ウリ党の前副報道官だった金ガプス氏から受けたことはあるが、最初に誰が抄本を発給したかは分からないという。金議員側は15日にも「私たちはどのような過程を経て住民登録抄本が発給されたのか分からない。前ウリ党の副報道官だった金氏が持ってきたものだけを見た」と重ねて明らかにした。
新孔徳洞で発給された抄本が金議員側に渡されたことが事実なら、その経路は非常に複雑になる。一応、朴前代表キャンプ側の人士に渡した抄本が与党圏の人士に渡された場合、大きな後遺症が予想される。
最悪の場合、朴前代表キャンプ側の人士が与党の方に資料を渡して暴露させた「闇の取引」も想定できる。しかし、どのような経路であれ、政界に流入された抄本の写本がいろんな所に流れ、結局、金議員側にまで流れた可能性がもっと高いというのが政界の人士の話だ。
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