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国の行き過ぎた私学への介入にブレーキ

Posted May. 18, 2007 03:14,   

最高裁判所が17日、学内紛争で教育人的資源部が派遣した尚志(サンジ)大学の臨時理事の正式理事の選任を無効と判断したことは、私立学校への国の行過ぎた監督や介入にブレーキをかけたことになる。

財団による不正運営がなされている私学を立て直すという名分にもかかわらず、そのやり方が私学法人の設立目的やアイデンティティを変えるところまでは認められないという意味だ。

▲事件の経過と判決内容〓漢方薬材料学科の廃止と専任講師の任命脱落問題、理事長の逮捕などで1993年以降の10年間、臨時理事体制で運営されてきた尚志大学の事態が法定での攻防に飛び火したのは、03年12月の理事会の議決のためだ。学校がある程度正常化されたと判断した臨時理事たちが、正式理事の選任を議決したためだ。すると1993年に、一括辞表を出した金ムンギ元理事長など旧理事たちは、理事会の決議が無効だとして提訴した。

事件の核心焦点は理事会の決議に対して金元理事長などが訴訟を起こす権利があるかどうかや、臨時理事たちが正式理事を選任する権利があるかどうかだった。

1審で裁判所は、「理事会の決議に瑕疵があるとしても、旧理事たちの理事の辞任または任期満了後に行われただけに、法律上の利益はない」として、訴訟そのものを却下した。

しかし控訴審の裁判所では、「臨時理事たちの一方的に正式理事の選任決議は、本質的に学校法人の支配構造を変更、私学の公立化を招き、補償なき財産権の買収に当たる」として、金元理事長などに有利な判断をした。

最高裁判所でも原審を確定しながら、「学校法人に対する国の監督権も学校法人の設立者の意思に沿って運営できるように、これを保証する範囲内で行使されるべき」だと明らかにした。

また、「不正を行った学校法人の役員に対して、それに見合う民事・刑事上の責任を問い、行政的な制裁を加えることは当然だ」としながら、「しかし、これを是正するための手段が度を過ぎて勝手に学校法人のアイデンティティまで覆す段階まで至ると、違憲的な状態を招くようになる」と指摘した。

しかし、最高裁判所は、私学の設立者側の主張を大幅に認めた控訴審の判断よりは、多少折衝的な態度を取った。教育の公共性や学校法人の自主性が適切に調和をなすようにすべきだという。

最高裁判所はまた、現在、憲法裁判所に係争中の現行改正私立学校法25条の3項(臨時理事が選任された学校法人の正常化問題)については、憲法裁判所が最終判断を下す事項だと、判断を見合わせた。

▲今後、どうなるか〓今回の最高裁判所の判決にもかかわらず、金ムンギ元理事長などが再び理事会に復帰したり、理事選任の権限を持つことになるのではない。

今回の判決で03年、臨時理事たちが選任した正式理事たちの権限も失われ、尚志大学は当分の間、理事会が空白の状態に陥ることになった。

教育人的資源部は現行の私学法第25条の3項(学校正常化方案)によって、金元理事長などの意見を聞いて、臨時理事を再び派遣すればいい。しかし、理事選任の過程で、両側の見解のギャップは埋められず、今回の最高裁判所の判決は新たな葛藤の種になりかねない。

さらに、現行改正私立学校法第25条の3項については、憲裁に憲法所願が提起されている状況で、憲裁の決定をうけて、このような教育部の措置、そのものが意味がなくなる可能性もある。また、国会では現行の私立学校法に対する再改正の議論が行われている状況だ。

最高裁判所では、「再び臨時理事を選任しなければならない状態になれば、学校正常化の時点で有効な私学法や民法などを総合的に考慮した一般原則に従うべきだ」と、現私学法の条項の違憲性の如何については判断しなかった。

金元理事長などは今回の判決で、政府が臨時理事を選任する際、意見を出せるようになった。

ただ、この条項が拘束力のある強制条項ではなく、政府が彼らの意見を反映する義務はない。



woogija@donga.com