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[社説]勤労者の転換配置で黒字に転じた双龍車

[社説]勤労者の転換配置で黒字に転じた双龍車

Posted May. 14, 2007 07:45,   

双龍(サンヨン)自動車が「第1四半期(1〜3月)」に昨年同期対比売上額14.9%増加、当期純利益93億ウォンの黒字転換という実績が出せたのは、労使が共に行った競争力向上に向けた努力のおかげだ。組み立てラインの再配置で生産性を高めた上、中国への輸出拡大で車両の販売を増やして昨年下半期の赤字を黒字に回した。

双龍車の一部の勤労者は1年前には仕事をする代わりに教育を受けた。主力車種のスポーツ・ユーティリティー車(SUV)の在庫があふれて生産を止めたからだった。構造調整を懸念した労組は昨春、1ヵ月間ストを繰り広げた。しかし、労使は昨年8月末、転換配置制の導入と雇用安定に合意した。これを受け、今年1月仕事のないラインの勤労者が仕事の多いラインに移して働いて生産の効率を高めた。

現代(ヒョンデ)自動車は転換配置を数年間導入できずにいる。労働強度が強くなるとして反対する労組のためだ。それで一部人気車種の組み立てラインでは人手が足りなくて、勤労者が残業をしているのに、一部在庫が多いラインの勤労者は教育を受ける。世界の自動車メーカーが「生産性戦争」を展開しているのに、世界5位の自動車メーカーを目指すという現代車ではこのように突拍子のない出来事が起きている。

今年、韓国の自動車生産は国内400万台、海外125万台と年産500万台を超えることが確実だ。為替レートの下落(ウォン高)、国際原油価格の上昇に内需低迷と労使関係の不安まで重なった状況で出た成果であることから一層意味深い。しかし、このような数値に満足してはならない。労使平和をベースに環境にやさしい車の開発、部品産業の競争力向上といった課題を適時に解決できなければ、韓国経済を牽引する自動車産業の未来に暗雲が立ち込めかねない。

日本のトヨタ自動車は1〜3月、米国のジェネラルモーターズ(GM)を追い越して世界シェア1位を占めた。効率を極大化する生産方式、差別化された販売技法に労使が共に危機意識を強調した結果だ。反面、労組の要求で福祉拡充に重点を置いたGMは、「シェア1位を維持する確信がない」という報告書をまとめた。年産500万台時代を迎えた韓国自動車業界はトヨタの後を継ぐだろうか、GMの二の舞を踏むだろうか。