「HSBCは、外換(ウェファン)銀行の買収には関心がありません。自生的な成長に力を入れたいと思います」
HSBC銀行のサイモン・クーパー(40、写真)銀行頭取は、16日、記者が「外為銀行」に触れると、まるでその質問を待っていたかのように微笑しながらこのように述べた。
国内外のマスコミでHSBCが中国工商銀行などとともに、外為銀行の有力な外資系買収候補として頻繁に取り上げられていることをにらんだ発言だった。
クーパー頭取は、旧正月大型連休の前日である同日、ソウル中区蓬萊洞(チュング・ポンネドン)のHSBCビルの会議室で昨年3月就任以来、マスコミとの初の単独インタービューを行い、「HSBCは、2005年第一(チェイル)銀行の買収に失敗した後、規模で競争せず、(韓国の金融環境と実情にあわせて)自生的に成長する方向で韓国市場戦略を見直した」と強調した。
●「HSBCダイレクトで自生的な成長」
HSBCは、現在ソウル、京畿(キョンギ)、大田(テジョン)、大邱(テグ)、釜山(プサン)など、全国に計11支店を構えている。総資産は、昨年6月末現在15兆1945億ウォン。
「11店舗で自生的な成長が可能なのか」と聞くと、クーパー頭取は「それで、打ち出したのが、HSBCダイレクトだ」と説明した。
HSBCが同月はじめに打ち出した同商品は、年中無休24時間インターネットと電話で入出金ができる上、年3.5%の金利と他行への振替手数料を全額免除する。
クーパー氏は「ダイレクトは、預金者保護になり、利用時間の制約と振替手数料がまったくないため、競争力が高い」と意気込んでいる。続いて、「昨年9月、ダイレクトを先に披露した台湾では、わずか5週間で、オフラインで5年間誘致した顧客数を抜いた。韓国は台湾より手ごたえがいい」と満足顔で話した。
クーパー頭取は2005年7月550人だった韓国の職員を昨年末1350人に大幅増やしたのも、自生的な成長を目指した布石だと強調した。
●「不動産投資減を予想」
1989年HSBC英国ロンドン本社に入行したクーパー頭取は、タイ支店の副頭取、シンガポールの企業金融代表を経て、昨年3月韓国支店の頭取に就いた。
彼は、韓国の顧客に対して「sophisticated(洗練されて几帳面だという意味)」という表現をよく使い、韓国消費者をターゲットにした新商品の開発に取り組んでいると話した。
不動産市場と関連して、「『魔法の鏡』がないため正確な展望はできないが、韓国の資産投資が不動産中心から脱し、多様化する契機になるだろう」と述べた。HSBCは、昨年末から不動産担保融資比重を減らしていると付け加えた。
韓国生活について聞くと、クーパー頭取は「韓国人が一生懸命働く姿に驚いた」と述べた。
「余暇と仕事の調和のため、職員たちに休暇は必ずとるように働きかけています。昨年末には、江原道(カンウォンド)のスキー場で職員たちとパーティーを開きました。タイとシンガポールで生まれた2人の娘が雪をはじめて見てとても喜んでいました」
jaeyuna@donga.com






