ポータル・サイトのように短期間で「権力」に浮上する例は、この先なさそうだ。「ある日、朝起きてみたら、有名になっていた」というある詩人の言葉のようだ。ポータルは、インターネット世界への「ドア」の役割をする。コンピューターを起動し、真っ先にポータルに接続することは、ネチズンの習慣のようになった。流行と違い、習慣は簡単には変わらない。
◆権力が集中した所に割りこむ迷惑客が、「独占」「横暴」「癒着」だ。ポータルのニュースサービスをみてもそうだ。ポータルには、マスコミが生産したニュースがすべて集まる。そのため、インターネットにおけるニュース検索は、主にポータルを介することになる。ポータルがマスコミの上のマスコミとして君臨する独占状態だ。ポータルにどのようなニュースを載せるかは、ポータル編集者の手にかかっている。「横暴」が介入する可能性が高い。にもかかわらずポータルは、現行法上マスコミではなく、マスコミに要求される責任も負わない。
◆盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は最近、ポータルの代表たちを大統領府に招待した。その席で盧大統領は、「今日、何を記事に載せるかという編集が、最も重要な言論活動だ」と述べ、ポータルをおだてた。いっぽう、ポータルの政治的中立性を監視するとして4月に発足した自由言論人協会の掲げた標語は、「07年大統領選挙は、ポータルが決める」だった。放送に続き、新権力ポータルにラブコールを送る政権の本音を読み取ることは難しくない。
◆ポータルが親政権的だという批判や憂慮が起こって久しい。ポータルのニュース・リストに、「賄賂の主役が仮釈放」とあったので入ってみたら、記事の元々のタイトルは、「○○○氏、仮釈放」だったという。ポータルの親企業は、情報技術(IT)企業が多い。政府の政策に敏感な彼らが、政府と政権の機嫌をうかがうのは当然だ。そのため、ポータルの機能を自律に任せようという主張は、権力とポータルのゆ着を奨励しようという声のように聞こえる。ポータルをマスコミに分類し、責務を強化する立法が推進されている。初期画面の50%以上をニュースにし、編集性向を明確に表わすという規定も含まれている。ポータルの政治化は正常ではない。にもかかわらず権力化するなら、監視を受けるのは当然である。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com






