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「3月のヒーローたち」夢を叶える

Posted March. 20, 2006 03:46,   

ボールをキャッチすることさえできれば、他に考えることはなかった。

ダイビングをした直後、グラウンドに叩きつけられ激しい衝撃を受けたが、グローブの中のボールを確認するや、痛みはすぐ喜びに変わった。

打球を追ってあちこちへと走れば、ユニフォームはいつの間にか泥だらけ。でもすぐに立ち上がって守備の体制を整えた。

韓国がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を破竹の6連勝で準決勝へ進む快挙を成し遂げることができたのは、このように勝利のための骨身を惜しまぬしっかりした守備をした、野手たちの活躍が大きかった。

韓国は日本との準決勝を含め、WBC7試合でたった一つのエラーも犯さなかった。「エラー・ゼロ」は、WBCに出場した16カ国の中唯一だ。大きな試合であればあるほど、守備が重要になるという野球の定説通りに、徹底した守備を踏み台にしたのだ。

全世界の野球ファンがみまもるなかでみせた安定した守備は、一部海外スターだけが注目されていた韓国野球の水準をグレードアップさせた成果だった。

特に、「国内派」が中心となた韓国の守備ラインは、華やかなスポットライトなしにも黙々と自分の役割を果たし、連戦連勝の土台となった。

●李ジンヨンの好守備、日本を二度泣かせる

ライト李ジンヨン(SK)は日本との1、2次リーグで相次いで立派な守備をし、連勝の立役者となった。反面、日本野球代表チームの王貞治監督は、「李ジンヨンの好守備のために連敗した」とくやしがった。李ジンヨンは打率こそ1割台にとどまったが、守備で強烈な印象を残したお陰で、記者会見のたびに招待される人気スターに浮上した。

李ジンヨンは19日、日本との準決勝でも上原の大飛球を、フェンスに激突する危険も顧みずジャンプし、キャッチするファインプレーを披露した。

●朴ジンマンと李ボムホ、ヒット性の当たりを処理

遊撃手の朴ジンマンも、台湾との予選で勝利を導く好守備を繰り広げたのに続き、内野安打性の打球を処理して、同大会最高の内野手と褒め称えられた。

韓国野球代表チーム先発ラインアップ10名の中、年俸最下位の李ボムホ(韓火、1億6000万ウォン)と9位の金ミンジェ(韓火、1億9000万ウォン)も、徹底した守備で名を高めた。

同守備手たちの活躍は、強打者とエースなどが注目を受ける韓国の野球風土に新しい風を吹き込むのに充分だった。



kjs0123@donga.com