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[社説]ソウル都心の日曜日「二つの風景」

[社説]ソウル都心の日曜日「二つの風景」

Posted November. 14, 2005 03:07,   

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日曜日の13日。ソウル都心では、まったく違う二つの景色がみられた。鐘路(チョンロ)では民主労総が広い車道を使って創立10周年記念の全国労働者大会を開いた。民主労総の高性能スピーカー音が聞こえるすぐ近くの清渓川(チョンゲチョン)では、休日を楽しむ人出で賑わった。

民主労総の集会は、参加者7000人余り(警察推算)を機動隊82中隊の7000人余りが取り巻く集会だった。集会場に撒かれた印刷物には「イラク侵略反対、派遣軍を直ちに撤収」「軍事基地の撤廃」のようなスローガンが書かれていた。勤労者の生存権が、イラク戦争や在韓米軍の基地撤廃とどんなつながりを持っているかに対する説明は、印刷物にはなかった。

男女労働者10人が演壇で披露した群舞が人目を引いた。彼らは「労働と平等の世の中に」という歌に合わせて鉄パイプを振り回しながら踊り、最後は鉄パイプの代わりに赤い旗を手にした。

1995年に創立された民主労総は、大手企業労組の就職斡旋と執行部幹部たちの金品授受不正が明るみになり、李秀浩(イ・スホ)委員長が辞任し非常対策委員会体制で運営されている。同日の集会で自省や内部改革を誓う声は聞こえなかった。参加者らは「政権と資本の弾圧を粉碎しよう」と大声で叫んだが、政権と資本が内部不正を助長したわけではない。休日の平穏を破って都心の交通を妨げて鉄パイプと赤い旗を振り回したことは、自ら自粛する姿ではなかった。

スピーカーで闘争意志を高めるために頑張っていたが、周りを見ると、道路混雑に憤慨し、慨嘆する市民たちの表情のほうが目に入った。民衆からますます遠ざかる民主労総の危機が目に見えて分かった。

肌寒い日にもかかわらず、清渓川には25万人が殺到した。そこには環境と平和の水路が流れていた。秩序が崩れることもなく、紙くずが舞うこともなかった。鐘路から聞こえる叫びに動搖する市民もいなかった。社会を守る成熟した市民意識、社会平和、家族の大切さがあった。