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[オピニオン]小さな巨人「亀尾」

Posted October. 19, 2005 06:09,   

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オランダの小さな都市、アイントホーフェンはサッカーファンに親しまれた名前だ。フース・ヒディンク監督がPSVアイントホーフェンを率いており、新しい代表チーム監督のディグ・アドボカトも同チームを率いたことがある。サッカーファンには失礼だが、アイントホーフェンは工業都市として有名だ。1891年、ヘライトとアントンのヒィリップス兄弟が初めてフィリップス社の電球を作った。そしてハイテク企業を続々と誘致することによって、都市はテクノロジーのホープとして成長した。「オランダの自尊心」アイントホーフェンが姉妹提携したアジアの都市はたった2ヶ所。中国の南京と韓国の亀尾市(クミシ)だ。

◆亀尾市に外国の外交官と実業家の足が絶えない。この1年間に誘致した外国資本が七つの多国籍企業で、10億2000万ドルだ。「こんなに小さな都市で年間300億ドルに近い輸出が行われるのは世界的でも珍しい」と言う賛辞も続く。テレビやモニター、ノート・パンコン液晶画面など、世界のディスプレー製品の四分の一を生産して、ディスプレー産業のホープと呼ばれている。まさに「韓国のアイントホーフェン」だ。

◆「亀尾国家産業団地」では、韓国の近代産業発展史が一目でわかる。1971年、韓国最初の地方工業団地として設立され、1970年代の「産業の担い手」であり、「輸出だけが生き残る道」という掛け声のもと、白黒テレビと纎維製品を生産した。1980年代に入って電子製品へと主品目が変わったが、カラーテレビの輸出はコンテナにいっぱい積んでも5万ドルを超えることが難しかった。通貨危機で手酷い打撃も受けた。しかし蘇った。未来を見通した大企業の先端産業分野への投資が、2000年前後のデジタル熱風と重なり合ったからだ。

◆亀尾市では年間6000人の人口増加がある。全国242の基礎自治体のうち、住民の平均所得1位、輸出と生産額1位だから、自ずと人が集まってくる。昨年投資協定を結んだ日本の旭ガラスの和田社長が、「公務員の誠意に感動して投資を決めた」と言うほど、官の姿勢も特別だ。企業がうまく行ってこそ人とお金が集まるという平凡な真理を、「小さな巨人」亀尾が見せてくれている。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com