許東秀（ホ・ドンス）ＧＳカルテックス会長は最近、マスコミに出る頻度が目立って多くなった。
北東アジア石油フォーラムの主導、原油高に備えての総合状況室「Kixx」の運営、世界持続可能な発展協議会の事務総長面談…。
その他の日程まで含めば、９月だけでマスコミに出るのがおよそ７回。来月の韓中日ビジネスフォーラムにも韓国委員会委員長として参加する。
これは原油高の状況から、許会長が国内「エネルギー専門家の第一人者」という事実を浮き彫りにさせようという、「最高経営者イメージマーケティング（ＰＩ・Ｐｒｅｓｉｄｅｎｔ Ｉｄｅｎｔｉｔｙ）」戦略の一つだ。
延世（ヨンセ）大学化学工学科を卒業し、米ウィスコンシン大学で化工学修士と博士の学位を取得した許会長は、１９７３年ＬＧカルテックス精油（現在のＧＳカルテックス）に入社した。大学からはじめて、４５年間をエネルギー分野で仕事をしてきた。そのため「ミスターオイル（Ｍｒ.Ｏｉｌ）」というニックネームも付いた。
●どうしてＰＩをするのか
最高経営者（ＣＥＯ）や政治家などのイメージコンサルティング専門会社であるイメージパワーの金銀珠（キム・ウンジュ）所長は、「ＣＥＯが持つ象徴性は顧客と社員たちに大きな影響を与える」と話した。
ＣＥＯがＰＩの必要性を感じるときは大きく５つに分類される。
①新しくＣＥＯになったとき、②法的問題に巻き込まれて危機管理が必要なとき、③企業の規模が大きくなったとき、④ＣＥＯ自らスランプに陷ったとき、⑤周辺がイメージの変身を注文したときだ。
国内企業でのＰＩ戦略作りは、広報ラインの役員レベルが決めて、チーム員たちが実務作業を行う。この過程でイメージコンサルティング会社に方法を依頼することになる。
金所長は「名前を言えば分かるような人のＰＩ要請が多くなっている」とし、「費用は数百万ウォン台」と話してくれた。
●トップのイメージがグループイメージを左右
李健煕（イ・ゴンヒ）三星（サムスン）グループ会長は、未来を予測する経営者というイメージを作った。このために李会長は数年に１回ずつ、社会に少なからぬ影響を与える話題を投げかける。
「妻を除いてはすべて変えなければならない」（１９９３年）、「１０年後に何をして食べていくかを考えれば背中に冷や汗をかく」（２００１年）、「天才１人が万人を食べさせる」（２００２年）。
鄭夢九（チョン・モング）現代・起亜（ヒョンデ・キア）自動車グループ会長がマスコミに出るときは、主に作業帽に作業服の姿だ。現場経営を重要視するという点を強調するためだ。国産ブランドの靴をすり減らすまで履くというつつましさも目立つ。
具本茂（ク・ボンム）ＬＧグループ会長に対するＰＩは、「一等ＬＧ」達成と研究開発（Ｒ＆Ｄ）の大切さを強調する力強いリーダーとしてのイメージだ。普段はスーツ姿だが、現場を訪問するときはネクタイをしない「ビジネスカジュアル」スタイルで服装を変えるのが特徴だ。
マスコミとの接触を憚って「隠遁の経営者」というニックネームを得た許昌秀（ホ・チャンス）ＧＳグループ会長は、７月に記者懇談会を自ら要望するなど変身を試みている。長年の海外経験からくる国際感覚と長期的眼目を取り揃えた「大胆な経営者」として際立たせるのがＰＩ戦略だ。
具滋洪（ク・ジャホン）ＬＳグループ会長に対するＰＩの核心は、「顧客と社員を家族のように」だ。具会長はＬＧ電子社長時代の１９９５年から、社員たちは楽しく仕事をしなければならないという「ＦＵＮ経営」を強調した。社員たちに硬くないという印象を与えるために、当時からサスペンダーはトレードマークになった。
尹鍾竜（ユン・ジョンヨン）三星電子副会長は「ＰＩのよくできたＣＥＯはそれ自体でブランドパワー」という信念を持っている。尹副会長がグローバルロードショーに参加して会社のビジョンを発表するとか、大学講演をよくするのも、グローバル企業のイメージを構築するためだ。
●「より效果的なＰＩはないか」
崔泰源（チェ・テウォン）ＳＫグループ会長のＰＩを担当する権五勇（クォン・オヨン）専務は最近悩みが多い。
「主要グループのうち、会長が自ら出て社会奉仕をする所はないです。差別化のためＰＩ戦略は若さ（４５歳）と覇気、社会貢献の方に焦点を合わせました。ところが周りから『エプロンをしてパンを焼く姿がＣＥＯのイメージとは合わない』と指摘されました。」
金升淵（キム・スンヨン）韓火（ハンファ）グループ会長のＰＩを引き受けている張一炯（チャン・イルヒョン）副社長は、人に会う度に「わがグループと会長のイメージをどうすればよいか」と助言を求める。
張副社長は「韓火グループは他のグループに比べて際立つイメージがなく、毎日悩む」と言いながら、「最近会長が追求するニュー（Ｎｅｗ）韓火建設のため、斬新なＰＩを構想している」と話した。
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