全種類の神経細胞に分化できる神経幹細胞の大量増殖を可能にする技術が開発された。
英BBCテレビ・電子版が16日報じたところによると、英スコットランド・エジンバラ大とイタリア・ミラノ大の共同研究チームは、米学術誌「公共科学図書館(PLoS−Biology)」の最新号に発表した研究報告書で、試験管で神経幹細胞を神経細胞に分化させず、分裂、増殖させる実験に成功した。
これまでは神経幹細胞が試験管で神経細胞に分化するのを防げなかった。しかし、今回の共同研究チームが、ヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から神経幹細胞を作り、それを試験管で再び大量に増殖させる技術を開発することによって、アルツハイマー病、パーキンソン病など退行神経疾患の治療法開発の時期を、繰り上げることができるようになった。
今回の成果により、大量に生産された神経幹細胞を使って、新薬の効果を存分に実験できるようになる。
エジンバラ大・幹細胞研究所のオースチン・スミス博士は「腫ようのない純粋な神経幹細胞を大量に生産できるということは、傷ついた組織を入れ替えるための幹細胞の移植手術を開発するうえでも、非常に重要な進展があったことを意味する」と話した。
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