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宗教と生命科学の出会い

Posted June. 16, 2005 03:05,   

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人間の胚芽幹細胞研究をめぐって見解の違いを見せてきたソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授とカトリック・ソウル大教区長の鄭鎭奭(チョン・ジンソク)大主教が15日午後、ソウル明洞(ミョンドン)聖堂の司教官執務室で会い、幹細胞研究と女性卵子の使用など生命倫理問題について幅広い意見交換をした。

二人は「科学者はどんな場合にも、人間の生命を尊重しなければならない」という原則に意見の一致を見て、科学界と宗教界の相互理解のために努めることにした。特に二人は胚芽幹細胞と成体幹細胞の補完的研究が必要だということにも同じ見解だった。

同日の会合で、鄭大主教は「カトリックは受精を人間生命の始まりと見ており、胚芽破壊を人間破壊に見做す」とし、「黄教授の胚芽幹細胞も『人間胚芽』に規定する」と話した。

これに対して、黄教授は「難病を患っている患者から直接得た皮膚細胞を体細胞の核移植という技術で誘導したソウル大学研究チームの幹細胞は、卵子と精子の結合という受精の過程を一切経ておらず、また着床の可能性が全くないため、生命に発展する科学的根拠はない」と詳しく説明しながら理解を求めた。

鄭大主教は「先端科学研究はたびたび既存の倫理規定を適用しにくい場合が多いが、この分野も科学者として良心と社会的責任を守っていくことが強調される部分だ」とし、「科学者として、何より開かれた姿勢を持って社会の憂慮と勧告を最大限受け入れて尊重してほしい」と頼んだ。

約50分間、非公開に進められた同日の会合には、黄教授チームの一員でカトリック信者であるソウル大学医学部の安圭里(アン・ギュリ)教授が同席した。

黄教授は「お叱りを受けに来たが、大きな祝福と教えをいただき、嬉しかった」と肯定的に回答して、「大主教が今後の研究方向の設定に多くの助けと教えをくださった。今後とも研究進行状況によって大主教によく伺い、お聞きしたい」と話した。

安教授は同日の会合の結果を説明しながら「成体幹細胞研究で治療することができない不治の病の患者たちがいる。成体幹細胞であれ、胚芽幹細胞であれ、患者を直す治療法が適した治療法だ。両方にすべて門を開いておかなければならない」との見解を明らかにし、胚芽幹細胞研究を続けていく意思を確かにした。

同日の会合が宗教と科学間の対話のきっかけになったが、双方の意見が存在することを表すところでもある。



jkyoon@donga.com