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日本の歴史教科書、「予想された歪曲」で検定通過

日本の歴史教科書、「予想された歪曲」で検定通過

Posted April. 05, 2005 23:07,   

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日本中学校教科書の検定結果が失望的な内容になるだろうということは、すでに予想された事態だった。

第2次世界大戦敗戦から60年が経ち、自分たちの「暗い」過去史をどうしても消したがる日本政府の本音が、今度検定を通過した教科書にそのまま盛り込まれているとみられる。

▲予想された「歴史歪曲」〓教科書検定の最高責任者である中山成彬文部科学相は、検定作業中だった去年下半期から妄言を繰り返しながら、徐々にそのレベルを高めていった。

文部科学相は去年11月「日本の歴史教科書で、従軍慰安婦や強制連行のような表現が減ってきたのは本当に良かった」と発言したのに続き、今年初めには「日本は自虐的歴史観から脱しなければならない」と主張した。

検定が大詰めの段階に入った先月29日には、教科書記述の基準になる「学習指導要領」に独島(トクト、日本名竹島)と尖閣列島(中国名釣魚島)を日本領土に銘記しなければならないとも提案していた。

文部科学相は、20人余りの検定委員を委嘱任命する責任者。文部科学相の影響を受けた検定委員らは結局、独島を紛争地域に描写した扶桑社版の公民教科書の内容を「日本の領土」にもっと改悪させた。

教科書検定が韓国、中国との最大な外交懸案であることをよく知っていながらも、このように論争になる人物を担当閣僚に起用したという点で、小泉純一郎首相も責任を避けることは難しい。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の対日発言を直説的に批判して物議をかもした町村信孝外相は、4年前に文部科学相で扶桑社版の歴史歪曲教科書に検定を認めた人物だ。また、次期首相に取り沙汰されている自民党の安倍晋三幹事長代理は、扶桑社版の歪曲教科書を作った極右団体「新しい歴史教科書を作る会」の行事に支持メッセージを送って全幅的な支援を約束した。

▲日本政府「日本は、これ以上戦犯ではない」〓専門家たちは日本政府が過去の歴史に対する見方を公式化した点に注目しなければならないと指摘する。次の世代が、「戦犯の子孫」という拘束から脱して自国の歴史にプライドを持たせるよう歴史的事実の隠ぺいまたは歪曲方針を明確にしたというのだ。

在日史学者である姜徳相(カン・ドクサン、73)滋賀県立大学名誉教授は「第2次世界大戦に敗れる前の軍国主義時代をしのぶ勢力が、日本社会のあちらこちらに布陣している」とし、今度の検定結果を日本社会の右傾化の流れと結び付けた。

日本内の良心勢力の牽制のおかげで、過去史記述で一種の「制御盤」の役割を果たしてきた「近隣帝国条項」が、今度はほとんど無視された点も憂慮される部分だ。軍慰安婦の存在が教科書から消え、関東大震災当時の朝鮮人虐殺の責任所在を曖昧に描写するなど近隣帝国条項はほとんど無視された。

扶桑社の歴史教科書は、最後の章に載せた編集者の文で「日本はこの半世紀の間、方向を失って過ごしてきた。経済復興を成し遂げて世界有数の強大国になったが、敗北の傷から抜け出せず、自信をつけることができなかった。何より重要なことは『自分』をはっきり持つこと」と明らかにし、歴史歪曲の狙いが何かを予想することができた。



parkwj@donga.com