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[社説]韓国政府は「北朝鮮核輸出」への立場を明確にすべきだ

[社説]韓国政府は「北朝鮮核輸出」への立場を明確にすべきだ

Posted March. 25, 2005 23:22,   

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米国は、「北朝鮮が核物質の六フッ化ウラン(UF6)をリビアに輸出して代金まで受け取った」という情報を、韓国政府に伝えたことが明らかになった。北朝鮮核問題の方向性に大きな影響を及ぼす重要な事実である。非公式的だが、本紙が韓国側関係者を通じて確認したこの事実は、「UF6はパキスタンからリビアに渡ったが、米政府が対北圧迫のために、北朝鮮から渡ったと韓国側に伝えた」というワシントンポスト紙の20日付の報道を覆すものだ。

にもかかわらず、韓国政府が「まだ結論を下す段階ではない」として、公式確認を留保していることは理解できない。北朝鮮の核物質輸出は、米国が暗黙に設定した「禁止ライン(red line)」である。このラインを超えれば、北朝鮮核問題の平和的解決構図そのものが動揺する恐れがある。それはまた、北朝鮮が国際社会と結むすべての核関連義務に違反したという意味でもある。

政府が確認を引き伸ばすのは、事実を認めた場合、対北包容政策の延長線で北朝鮮核問題を扱ってきた基調が動揺することを憂慮するためなのか。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領まで乗り出して、「(核が自衛手段という)北朝鮮の主張は、一理ある面もある」と言った矢先に、今になって北朝鮮の核物質輸出の事実を認めることは、困難だというのだろうか。

米国からそのような情報を受けなかったとしても問題である。口を開けば「異常はない」と言ってきた韓米協力に穴が開いていることを示すことであり、北朝鮮核問題に関する政府の言葉と政策を信頼することができなくなる。これに対する責任の所在を必ず明らかにしなければならない。

重要なのは、政府が事実関係を明らかにすることだ。北朝鮮の核物質輸出で、米国の対北強硬論が高まる可能性を憂慮して真実を隠すことは、問題を大きくするだけである。事実を明らかにして、北朝鮮に対しても言うべきことは言わなければならない。それが、韓米協力を活かしながら問題も解決する最も確かな道である。