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寝るのを除いてはダンスばかり踊っていた

寝るのを除いてはダンスばかり踊っていた

Posted March. 09, 2005 22:49,   

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「朴ゴンヒョン」という名前はなじみが薄いと同時に、強烈な印象だ。彼のことを知らない人は「誰?」と聞き返すが、知っているひとは決まって熱狂しているためだ。

朴ゴンヒョン(28)。ミュージカル「土曜日の夜の熱気」の主人公「トニー」。動物的でありながら男性的な歌と踊りで、観る人の心を奪ってしまうミュージカルスターだ。昨年、テレビドラマの「波乱万丈、ミス金の10億作り」と、映画「DMZ非武装地帯」で本格的に顔を知られはじめた彼が、今度はぴったりの映画にめぐり合ったようだ。5月封切られる「ダンサーの純情」で、延辺の少女(ムン・クンヨン)と愛を交感するダンスのスポーツ選手「ヨンセ」に扮して出演するのだ。

5日夜、朴ゴンヒョンに会った。自分と映画をテーマに彼が明かした内容を3つのキーワードで紹介する。

●体

僕の最大の敵は僕だ。水ばかり飲んでも太る僕。もともと63キロだった体(183センチ)が太ったのは浪人生活をやった時からだった。崇礼(スンレイ)門近くのある24時間営業の肉屋で毎日午後9時から午前8時までアルバイト(ウエイター)をした。一晩中肉を食べていた。午前2時、4時、6時。このように半か月を過ごすと、76キロになった。「これでは俳優の夢を叶えられない」という気がして、働き場を変えた。ソウル江南(カンナム)駅ニューヨーク製菓の前で化粧品を売った。

テーブルの上に景品とスキンローションのサンプルを敷いておき、通りかかる女性に声をかけて無料のお肌の診断をしてあげた。靴下に穴が開いただけで恥ずかしくて友だちの家に遊びにいけないぐらい内気だった私が、俳優になるために、通り過ぎる女性たちをつかまえて無料で肌の診断をした。靴下に穴だけ私も恥ずかしくて友達家に遊びに行くことができない位内気だったが、俳優になるために人にもまれる仕事を選んだ。男らしい仕事も経験も必要だと思って、江原束草市(カンウォン・ソクチョシ)へ行った。土方をして、トンウ大学の寮を建てた。

大学(ソウル芸術大学演劇科)卒業直前、いろいろなミュージカルに出演していた間、また85キロになった。その体で「土曜日の夜の熱気」のオーディションを受けた。1次に合格した後1ヵ月にして15キロを減量した。寝る時間を除いてはダンスばかり踊った。吐き気がした。その結果、主演を勝ち取った。苦しい時はギターを弾きながら自分勝手に作った歌を歌ってみる。「今日も大変だが夢があり…、今朝また日が昇るように…」。

●女性

一度はミュージカル舞台から降りてきてファンレターを読んだ。「車窓を開けて川辺北路を楽しく走りました。道端には落ち葉がたくさん落ちていました。家に帰って、ブラームスの音楽を聞こうと思っています。…今日はイチゴシェイクを作ったんです。憂鬱な気持ちがちょっと明るくなりました。主人のゴンヒョン様のことを気に入っています」。最初は少女の感情を持った若い主婦のファンだと思っていた。後で分かったが、母親の年配の方だった。舞台というところは独特で魅力的な空間だ。俳優も特別にするが、観客も特別にするところだ。

●踊り

クンヨン(18)ちゃんは愛をまだ知らない。撮影中、引き続き「愛の感情がよく分からない」と聞いてきた。私はファン・ジウ詩人の「あなたを待っている間」を聞かせた。こうした感じだと説明した。「あなたが来ることにしたその場に/私が先に行ってあなたを待っている間/近寄ってくる全ての足跡は/私の胸を躍らせる」。クンヨンは僕よりはるかに本をたくさん読む俳優だった。僕たちはいつもこうだった。「この本、読んだ?」、「はい、兄ちゃんはこの本読んでみたんですか」、「いや」。

ミュージカルをやる時は女性パートナーがいつも年上だった。今度の映画を通じて初めて年下に会った。10歳の年下。妹だとばかり思っていたが、一緒に踊っていると、本当にびっくりするときがある。「高校3年生のムン・クンヨン」ではなく、劇中の「チェリン」の目つきで僕を見る時だ。「あ、こうだからダンスパートナー同士でよく結婚するんだな」。瞬間困惑してたじろいでしまう。人の心も知らずにクンヨンちゃんはあどけない表情で聞く。「お兄ちゃん、顔がどうしてそんなに赤くなったですか」。クンヨンちゃんと踊りながら生まれて初めて「本当にいやらしい」と言われた。恋愛をしたことのある人なら知っているだろう。心の中ではキスまでしたのに、実際は手も握れずにぐずぐずしているじゃないか。でも、ダンスは違うものらしい。時には体がまさに心ほど動くからだ。



李承宰 sjda@donga.com