歴代米大統領の愛犬は、厳然なホワイトハウスの一家族だった。外見に少しでも変化があればすぐに記事にされるほど、待遇をうける。大統領が執務室で愛犬と寝転びながら遊ぶ姿から、米国人は平安を感じる。今日も世の中は静かで平和・・・。
◆ブッシュ大統領が飼っていた愛犬「スポット」が2月に安楽死した時、ブッシュの悲しみは大きかった。スポットは、15年もの間ともに過ごし、大統領になってからも海外歴訪に同行した。ホワイトハウスは、「大統領夫妻と家族が、スポットの死を深く悲しんでいる」と声明まで出した。慰労の手紙も多く届いた。9日のG8首脳会議でも、遅ればせながら哀悼の言葉を聞いた。日本の小泉純一郎首相が弔意を伝えたのだ。
◆ブッシュ大統領としては、うれしかっただろう。小泉首相はこのことで話題になったが、犬を飼ったことのない人は、その心情が分からない。この世の中で人間が持つことのできる最もエゴのない友達が犬であるという言葉もある。重要なことは、さらに仲がよくなった両国の関係だ。日本は、同時多発テロ以来米国が信じることのできる最も心強い盟友であることを、改めて確信させ、もはや両国首脳が愛犬の死で弔意を交わすほどの間柄になった。
◆公的な関係がいくら深くても、私的な関係を飛び越えることはできない。個人的に親しくなってこそ頼みもでき、聞き入れることもできる。国家も同じである。力と影響力は、結局相手国家と私的にどれほどネットワークがうまくできているかによって決まる。米国を訪問する首脳だといって、すべて同じではない。テキサス州クロフォードにあるブッシュの自宅農場に招待されれば、私的な話が通じるリーダーと認められる。
◆盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の2度目の米国訪問計画があるかどうか知らないが、もしあるなら、小泉首相の弔意が参考になればいい。盧大統領は愛犬を飼っていない。就任当初、大統領府には2匹の犬がいたが、大統領が「つながれているのは可哀想だ。放してやれ」と言ったそうだ。これも動物を愛する心の表れであり、ブッシュ大統領と共通の話題とならないこともないだろう。
李載昊(イ・ジェホ)論説委員leejaeho@donga.com






