Go to contents

[オピニオン]肥満

Posted May. 10, 2004 22:36,   

米国は国民3人のうち2人が肥満の「肥満王国」である。巨大な体の男女が片手にコーラーをもう片手にビッグ・ハンバーガーを意地汚くがつがつする場面や、いくつかの椅子を並ばせてやっと腰かけられるような大きなヒップも時々目に付く。体重60kgのチェーンスモーカーでオールドミスの哀歓を描いた「ブリジット・ジョーンズの日記」のような映画が大ヒットしたのも、同年輩の女性の同病相哀れむような気持ちからだろう。21世紀唯一の強国米国が核戦争と人種紛糾よりも栄養過剰による肥満で没落の路を辿るだろうと見る向きもある。

◆国際肥満特別対策チーム(IOTF・Ineternational Obesity Task Force)は最近報告書で、人類最大の疾病はガン、エイズ、糖尿、脳出血ではなく、肥満だと指摘した。世界人口の4分の1の17億人が肥満で、このうち3億1200万人は許容限度より少なくとも13.5kgも太った肥満人と調査されたからだ。世界保健機構(WHO)も早くから肥満を個人の飽食などによる体重調節の失敗ではなく、「伝染病」として取り扱ってきた。

◆問題は西欧先進国だけでなく、開発途上国でも肥満人口が爆発的に増加しているという事実だ。南太平洋の島国トンガ、ナウルなどでインスタント食品や揚げ物が伝統的な食事に取って代わり、「肥満王国」になった。クウェートのような金持ちの産油国と世界最大の人口を擁する中国も次々と肥満国家の隊列に合流しつつあるという。IOTFのネビル・リッグビ政策局長は、「肥満はもはや先進国の疾患ではなく、汎世界的な伝染病」と診断した。

◆「肥満の世界化」をあおった要因はなんだろうか。IOTFはまず安くてボリュームのある料理と体をあまり動かさなくてもよいようになった技術発展をあげている。料理の過程で使われる油と脂肪の消費がここ30年間2倍も増加し、女性が職業を持つようになってからインスタント食品の需要が増加したのも原因にあげられる。もはや肥満は個人の栄養過多と管理怠慢のせいだけにはできない、世界的な問題になった。韓国もすでに「肥満先進国」、「ダイエット強国」になって久しい。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com