「世界の工場」中国が、ブラックホールのように原材料を吸い込み、原材料需給逼迫への憂慮が現実味を増している。鉄鉱石、石炭、天然ゴムなど、原材料価格が急騰する「中国発原材料供給不足問題」だ
毎月30の原資材価格を集計する韓国輸入業協会によると、昨年12月銑鉄価格は1t当たり263ドルで、1年前と比べて64%急騰した。また、同期間に天然ゴムは48%、ニッケルは97%暴騰するなど、原糖と有煙炭など、いくつの品目を除いては大部分が値上がりした。
韓国輸入業協会の朴チョルホン氏は「世界経済の回復とともに、毎年8%ずつ成長を続けている中国が、鉄鋼、原油などを大量に輸入していることから、原材料価格が急騰している」と述べた。
原材料価格の値上がりに歯止めがかからない場合、企業の採算性が悪化し、韓国の物価に悪影響を及ぼしかねないという展望も出ている。
とりわけ、08年に北京五輪が予定されている上、中国がこれまで経済成長で立ち遅れていた西部と東北部の開発に本腰をいれていることから、原材料需要の増え幅は一段と拡大するものとみられる。
三星(サムスン)経済研究所のチョン・サンウン首席研究員は「昨年、中国の場合、固定資産投資が30%増加した。投資の大部分がサービス業種ではない製造業および社会間接資本(インフラ)投資であるため、原資材の輸入が急騰するしかない」と分析した。
実際、中国に進出したジェネラル・モーターズ、ホンダなどが、昨年から自動車生産を本格化し、中国内で鉄鋼および天然ゴムの需要が急増している。
鉄鋼業界によると、昨年中国の鉄鉱石の輸入は、前年比30.9%増の1億4600万tで、過去最高値となった。
中国の鉄鋼需要が急増し、昨年鉄鋼の主な原料である鉄鋼石および石炭の国際価格は、20%急騰したが、このような値上がりは25年ぶりのこと。
原資材価格が急騰すると、ポスコは来月9日から、韓国の鉄鋼製品価格を12%引き上げると発表した。東国(トングク)製鋼も27日、1tあたりの価格を4万9000ウォン値上げすると発表した。
輸送費用の上昇も原材料価格の値上がりの一因となっている。
中国が原材料の運送に使うバルク船を独占して、バルク船の運賃指数(BDI)は、1月26日基準で5262まで暴騰した。BDIは02年8月1000隻を突破して以来、昨年8月1900、9月2400、12月4000を越えている。
孔鍾植 kong@donga.com






