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石油市場主導権争い、サウジからロシアへ

Posted February. 20, 2002 09:27,   

ロシアとサウジアラビアが、国際原油市場の主導権を握るために、目に見えない戦争を繰り広げている。世界第一の原油輸出国であるサウジアラビアに対抗し、ロシアがここ数年間新しい油田の開発と事業の合理化を通じ、石油市場の「盟主」のポストを狙っているのだ。

このような両「石油強大国」の水面下での戦争は、世界経済とエネルギー政策をはじめ、国際政治の力学関係に大きな変化を予告していると、前の米国務省国際エネルギー政策副補佐官のエドワード・モスが国際問題専門誌「フォーリンアフェアズ」最新号(3〜4月号)に載せた寄稿文で主張した。

石油輸出国機構(OPEC)など中東産油国の盟主を自任してきたサウジアラビアは、1日750バレルの石油を生産し、世界生産量の25%を占めている。サウジアラビアはこれとともに、1日300万バレルにのぼる余裕生産能力をもとに、国際石油市場の価格決定に強大な影響力を行使してきた。しかし、サウジアラビアは生産施設への投資・技術の導入などをおろそかにし、ここ20年間石油生産量が横ばいになっている。

一方、ロシアの石油生産量は着々と増加してきた。90年代半ばに比べて、最近は1日200万バレル以上増産している。ロシアは、98年の経済危機以降、企業の構造調整や石油生産、配送インフラの構築、海外技術と資本導入に拍車をかけてきた。これをバネに、ロシアは世界第一の石油生産国だった旧ソ連時代の繁栄を急速に取り戻している。

ロシアは、備蓄量約500億バレルの油田を新たに開発するなど、2006年までに1日200万バレルを追加生産できるとみられる。この場合、ロシアの石油輸出量は、サウジアラビアと同じレベルに達する。

サウジアラビアを中心にしたOPECと、ロシアが、石油の減産規模をめぐって去年秋、一度激突したことがある。サウジアラビアは、石油価格を引き上げるため、域外産油国への説得に乗り出したが、ただ1国ロシアだけがこれを拒否した。

こうした対立の裏には、ロシアの自信とロシアの増産によって不当に自分らの分が取られていると考える中東産油国の被害者意識が、複合的に働いているとの分析だ。



eodls@donga.com · credo@donga.com