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コール金利の引き下げでジレンマ

Posted July. 02, 2001 09:45,   

韓国銀行(韓銀)が5日、コール金利の引下げを決める金融通貨委員会(金通委)を控え、頭を抱えている。景気の低迷が続いている現実を考慮すれば、金利を引き下げるべきだが、物価上昇率を5%台に据え置かなければならないことを考えれば、金利の引き下げは慎重にならざるを得ないためだ。

金通委は2日、懇談会を開き、コール金利の引き下げに対する事前調整作業に入った。しかし、結論を出すことはできなかった。ある金通委員は「成長率は3%台、物価は5%台で、すべてが目標値とのズレが生じているため、政策選択が難しい」とし、「金通委が開かれる前には何も言えない」と述べた。他の金通委員も「政府側は金利引下げをいろんなルートを通じて示唆しているが、物価をめぐる不安要素が多い」として「今日の懇談会には海外出張中の委員2人が参加しなかったので、3日にも、論議を再開することにした」と説明した。

金通委が、この問題が「国民の政府」発足以来、最も激しい論争になるものとみている背景は、現状の経済状況が非常に厳しいためである。5月中の産業生産増加率は2.3%、2月は8.8%を記録した後、3月が6.4%、4月が4.6%と、3ヵ月連続で落ち込んでいる。韓銀も今年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを5.3%から3.8%へと大幅に下方修正した。6月中の物価上昇率は5.2%で、5月(5.3%)に次ぎ5%台を維持している一方、今後大幅に下がるという見込みも出ていない。ともすれば「低成長—高物価」のスタグフレーションまで懸念されていることから金利になかなか手を加えにくい状況。

さらに「政府と民主党が金利引き下げ方針を決めた」という報道も出ており、金通委員の神経をとがらせている。「政府が金利引下げをむやみに取り上げると、韓銀が金利を引き下げたくても『中央銀行の独立』問題にぶつかって、引き下げ難くなる」(ジョージワシントン大学経営学科パク・ユンシク教授)という。

これと関連し、決定権を握っている全哲煥(ジョン・チョルファン)韓銀総裁が一種の「二重プレー」をしているとの見方も出ている。金利引下げを要求する政府官僚の前では引き下げに傾き、物価を懸念する韓国銀行に戻ると現水準維持に傾いている、というのだ。ただし、前は物価安定に重きを置いていた金通委員も景気低迷を言及しており、金利が引き下げられる可能性はかつてなく高い。



hcs@donga.com