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初の先住民系出身の大統領 ペルー

Posted June. 04, 2001 11:21,   

来月28日、ペルー大統領に公式就任するアレハンドロ・トレド当選者(55)は、先住民系出身としては初めて大統領に当選した。

トレド氏の大統領当選により、昨年4月の大統領選挙不正疑惑以降、フジモリ大統領の亡命などで混迷していたペルー政局は、いったん収拾局面を迎えた。

アンデス山脈のインディア系先住民の村に生まれたトレド氏は、貧しい家庭の16兄弟の1人。食べていくために都市に出てきたトレド氏は、靴磨きをしながら学業を続け、大統領にまで行き着いた立志伝的な人物だ。米国のスタンフォード大学経済学部で博士号を修得したトレド氏は、世界銀行など国際金融機関に勤めたが、90年代初めに帰国、政界入りした。

ペルー国民は、「成功物語り」の主人公であり原住民のトレド氏が、過去の先祖が築き上げた華々しいインカ文明の栄光を再現するのに適格であると信じ、熱烈に支持した。人口2600万人の80%を占めるインディアの強力な支持が最大の勝因だ。

トレド氏が国民を惹きつけるもう一つの理由は、独裁傾向のフジモリ大統領に正面から立ち向かったことだ。昨年4月の大統領選挙の際、投開票の過程で不正さえなかったらトレド氏が当選していただろう、との分析が多かった。トレド氏は、フジモリ大統領との正面対決となる決戦投票には参加せず、政権退陣運動という政治的冒険を強行した。トレド氏はフジモリ大統領の退陣を要求する大規模集会を数回にわたって開き圧力を加えた。その結果、フジモリ大統領はこらえきれずに、海外歴訪中に訪れた日本に政治亡命を申し出るに至ったのだ。

トレド当選者の最大課題は、経済難の克服だ。遊説中にトレド氏は、100万人の雇用創出と任期中に年平均6—7%の経済成長を掲げた。持続するインフレと失業率上昇など不安な経済状況のうえ対外信認度も低い状態であり、前途は険しいものと見られる。



mickey@donga.com