男子選手たちが泣いた。それを見るや観客席にいた女子選手も涙を流し、抱き合った。なぜか。88年ソウルオリンピック アーチェリー団体戦金メダル以後、積もっていた12年間の恨みを晴らし、胸の奥深く隠されていた涙が堰を切ったように溢れ出たのだ。金曜日シドニーオリンピックアーチェリー最終戦が開かれたオリンピックパークアーチェリー競技場は、それこそ涙の海だった。最後の一矢を9点で射し終えた主将オ・キョムン(呉教文)は、鬱憤を晴らしきったかのように激しく喜びの声をあげ、後輩のチャン・ヨンホ(張龍浩)とキム・チョンテ(金清泰)も拳をぐっと握って抱き合った。12年間待ち続けた金メダル。オリンピック毎に2つずつ金メダルを掴み取った女子選手に比べ男子は3名中、金メダルを手にした選手は誰もいなかった。
常にスポットライトは女子選手だけに当たった。シドニーオリンピックまで含め個人戦5連敗、団体戦4連敗など、オリンピックで韓国女子アーチェリーが取った金メダルが10個もあるのに対し、男子はたった1個。前日、女子選手が勝利を挙げ、その翌日競技に立つ男子選手達の気持ちは非常に重かった。オ・キョムンは「もちろん女子選手が良い成績を収め、嬉しかったには嬉しかったが、一方では負担がいっそう重くなった。自分達も良い成績を残さねばというストレスが無かったといえば嘘になる」と正直に明かした。
今回の大会でも個人戦1,2,3位を総ざらいした女子に対して男子の部では3名が準々決勝ですべて落ち、予選の悪夢が再現されるかのようであった。ソ・オソク(徐五錫)男子コーチは「女子選手があまりにも良くやるので萎縮してしまったことは事実であり、負担感を忘れ団結しようと選手と決意を固めていたので、良い結果を残せてとても有り難い。選手達を誇りに思う」と語った。
常に申し訳ないと思っていた女子選手たちも、この日観客席でとめどなく涙を流した。ユ・ミジン(尹美進)とキム・ナムスン(金南順)はお互いにしっかり抱き合い、嬉しさのあまりどうしていいかも分からず、キム・スニョン(金水寧)も顔を赤めた。テレビ解説をしていたイ・ウンギョンも流れる涙で言葉を続けられなかった。キム・スニョンは「一緒に苦労し、訓練をしてきたのに、男子チームが良い結果を出せずに悔しい思いをしてきたが、共に金メダルを取れて誰よりも嬉しい」と語った。






