死んだ母親が子どもに

２０２２年を陳恩英（ジン・ウンヨン）の新しい詩集が出た年だと記憶したかった。詩集のタイトルは『私は古い通りのようにあなたを愛して』。１０年ぶりの新刊だ。詩集に載せられた３９番目の作品をここで紹介する。４２の作品の中で１編だけ、それも一部だけ扱って、詩人を愛する多くの人々に申し訳ない。

この詩に初めて会ったのは１４年秋、ある文芸誌だった。あれから８年が経った。詩に再会して嬉しかった。単語が少し変わっていた。「小さな瓶になってベンジャミンの花瓶と一緒にあなたの机の上に置かれたい」という節は、「白い瓶になって小さな花と一緒にあなたの机の上に置かれたい」に変わった。このように時間は流れて単語も変わったので、他のことも少しは変わっただろう。それゆえこの詩が８年前よりはあまり辛くなく読めることを望んだ。だが違った。あの時も今も永遠の別れはとても辛い。

泥のように何にでもなりたいが何にもなれないのが死だ。愛する人が生まれ、生きて老いていくのも見ることができない。何もできない死について何もできなかったことを詩人は苦しむ。早い死が多すぎる。２２年は「陳恩英の新しい詩集が出た年」とだけ記憶したかったが、それはできないようだ。