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「子どもを学校に送り出すや酒を取り出す・・・このままではいけないと思った」

「子どもを学校に送り出すや酒を取り出す・・・このままではいけないと思った」

Posted November. 17, 2021 09:17,   

Updated November. 17, 2021 09:17

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今年5月の晴れた日、小学校3年生の娘を育てるパク・ミソさん(38)は、子どもを登校させ、家に戻って来るやいなや台所で酒とコップを取り出した。時計は午前9時を指していた。自分が「酒愛好家」ではなく、アルコール中毒者ということを認めざるを得ない時間だった。パクさんは病院に行き、治療を始めた。退職して専業主婦として生活し、5年が経った。最近、エッセイ『酔っぱらった日も理由がある』で自身のアルコール中毒克服を書き綴ったパクさんに15日、会った。

「1人で台所で酒を飲む主婦を『キッチンドリンカー』と言います。育児と家事で特に達成感が感じられず、いつのまにかキッチンドリンカーの道にはまってしまいました」

パクさんは10年間、雑誌社や新聞社で記者として働き、2016年に育児に専念するために専業主婦になった。職業柄、酒に接する機会が多かったパクさんは、仕事を辞めた後もストレスを酒で発散させた。「アルコール依存度がどれほど深刻かは酒を飲み始める時間帯で知ることができます。私も、酒を夜に飲むレベルから夕食の晩酌、昼間の飲酒、ついには朝に酒を飲むようになりました」

パクさんは、一時社会生活をして専業主婦になった「経歴断絶」の女性はアルコール中毒の誘惑に脆弱だと指摘した。メディアで描かれるいわゆる「能力のある女性」は男性職員を凌駕する酒飲みと描かれるので、酒を良く飲むことが美徳と学習するようになるためだ。パクさんは、「私も酒の席で酒を断れば『女なので飲まない』と非難される環境で働いた」と話した。

 

「若い女性アルコール中毒者」を嫌悪する社会的視線のため、キッチンドリンカーは酒を隠れて飲むようになる。このため中毒と認知するまでに時間がかかることになる。パクさんは、アルコール中毒はうつ病の症状の1つであることが多いと強調した。

「うつ病は恥ずかしい病気ではなく、適切な治療を受ければ治る。アルコール中毒も同じです。『1週間に酒を何回飲みますか』という問診表の質問が良心に突き刺さりますか。その時がまさに心のケアを始めなければならない時です」


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com