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短く咲いて散る…人生は梅のよう

Posted November. 16, 2021 08:33,   

Updated November. 16, 2021 08:33

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「私一人ぐらい無意味な美しさを話してもいいでしょう。時には意味のないことが私達を救ってくれるから」

花を愛する劇作家、裵三植(ペ・サムシク、51、写真)が、創作歌舞劇「早い春 遅い冬」に帰ってきた。12日に開幕し、24日までソウル中区(チュンク)の国立劇場タルオルム劇場で公演される作品は、ソウル芸術団が6年ぶりに再び披露する作品。人生を梅の美しさに例え、流れるように流麗に繰り広げるオムニバス劇だ。

9日、ソウル鍾路区付岩洞(チョンロク・プアムドン)の自宅近くで会った裵氏は、「作品が6年ぶりに再び日の目を見るとは思わなかった」とし、「役者がただ舞台で楽しく飛び回ってほしい」と話した。そして、「最近は、皆が作品に強いメッセージを入れようと一方に偏っている。純粋な美しさを描く劇が一つくらいあってもいいだろう」と言って笑った。

約30年前、裵氏が梅に向き合った刹那の瞬間が、長く残像として残って作品につながった。大学生時代、裵氏が韓国式庭園で有名な全羅南道潭陽郡(チョンラナムド・タムヤングン)の瀟灑園(ソセウォン)近くを旅行した時だった。残雪に小雨が降った森の中で青梅の花を見た。裵氏は「冬の間身をすくめ、春まで耐えた芽を見て、はかない美しさ、希望、切なさを感じた。本当に美しいものは、常にはやく過ぎ去ってしまう。文でその美しさを少ないものであっても捉えておきたかった」と話した。

作品の特徴は「緩やか」だ。役者たちは遅い拍子に乗ってゆっくり、流麗に動き、花になり風景になることもある。人生のきらびやかな瞬間瞬間と喜怒哀楽を描き出す。裵氏は、「梅という素材一つだけを捉え、作品を緩やかに書いていった。作家が話す言葉が多すぎると、踊り、演技は脇役になりやすい。劇に空席(空白)を残そうとした」と話した。

昨年も裵氏は花を歌った。国立劇団の70周年記念作「花煎歌(ファジョンガ)」では、韓国戦争を控え、慶尚北道安東(キョンサンプクト・アンドン)の山奥で花を見て歌を歌った女性の人生を描いた。「苦しい戦争をありのまま描写すれば、あまりにもわかりきっているようだった」と話した。家の庭に花が咲いては散る姿を見て、生命の美しさは儚いということを目の当たりにした。

2007年の東亜演劇賞戯曲賞(「熱河日記漫步」)に続き、09年にも東亜演劇賞戯曲賞(「白いゆすらうめ」)を受賞した裵氏は、現在韓国を代表する劇作家の一人。裵氏は、「今回の作品で私が書いたセリフではなく、舞踊家がただ静かに舞台をすぎる場面が最も良い。私は生涯言葉で表現できないことを語るために言葉という道具を使う人にすぎない」と話した。

2万~5万ウォン、8歳以上観覧可。1577-3363。


キム・ギユン記者 pep@donga.com