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「勉強は神が人間に与えた使命を探す過程」

「勉強は神が人間に与えた使命を探す過程」

Posted October. 04, 2021 08:28,   

Updated October. 04, 2021 08:28

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「この本に私の昔の話を盛り込みました」

先月30日、新刊エッセイ『信じる人間に対して』(フルム出版)を出した韓東日(ハン・ドンイル)バチカン裁判所の弁護士(51)は、「15歳で洗礼を受けた時から始まった人生への質問を本に盛り込んだ」と話した。ラテン語だけでなくギリシャ、ローマ時代の文化なども扱った前作『ラテン語授業』(フルム出版)は2017年に35万部以上売れ、ベストセラーとなった。

韓氏は、司祭だった2010年、韓国人で初めてバチカン裁判所「ロタ法廷(Rota Romana)」の弁護士になった。先月、21年務めた司祭を辞め、一般信者に戻って執筆活動に専念している。司祭でなくてもバチカン弁護士の身分は維持される。1日、東亜(トンア)日報のインタビュールームで韓氏に会った。

「宗教は庭園だと考えます。美しいが、管理者が植えようとする花や木だけ存在します。天主教という庭園で数十年を享受したので、今は自然からもう少し自由な勉強をしたいという気になりました」

韓氏は大学の講義もせず、研究と執筆に集中する計画だ。韓氏が司祭をあきらめてまでして勉強をする理由は何か。韓氏はユダヤ人の説話を挙げ、「勉強は神が人間に与えた楽譜(使命)を探す過程」と話した。楽譜を探すことも容易でないが、それだけでなくこの楽譜をどんな楽器でどのように演奏すべきかを学ぶ過程も容易でないため、勉強は終わりがないということだ。韓氏は、「勉強を通じて自分の本当の姿を探す努力をしてはじめて、楽譜と楽器の両方を見つけることができる」と話した。

韓氏は同書で、宗教がどのように人間に幸福と喜びを与えられるのか、人間が神をどのように誤解しているのかなど、長い間の悩みに対する自身の考えを綴った。韓氏は、神に対する賛美より隣人に対する憐憫と愛が重要だと強調する。賛美だけに熱心な人は、ややもすると十分な賛美を受けることができなかったと拗ねる存在になる恐れがある。「神を偉大にさせるのも偏狭にさせるのも人間にかかっている」ということだ。

韓氏は多くの読者を感動させたが、誰かのメンターであることを拒否する。読者が人生にどのような態度であるのが良いのか問われ、韓氏は次のように答えた。「エルサレムの砂漠を歩く時、本来あった道、前の人が通った道は、砂嵐が起これば消えます。砂漠の道案内は、地にできた道でなく空の星です。皆さんが人生という砂漠で誰かの後を追うのではなく、自分だけの星を探すことを望みます」。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com