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北朝鮮、今度は長距離巡航ミサイル…韓国は「注視している」と傍観

北朝鮮、今度は長距離巡航ミサイル…韓国は「注視している」と傍観

Posted September. 14, 2021 08:29,   

Updated September. 14, 2021 08:29

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北朝鮮が、11、12日の両日に新型長距離巡航ミサイルの試射に成功したと明らかにした。朝鮮中央通信は13日、「発射されたミサイルは、わが領土と領海の上空に設定された楕円や8の字の軌道を描き、発射から7580秒(2時間6分)で1500キロ先の標的に命中した」と報じた。韓国軍と大統領府は、「韓米協力の下、分析中」、「注視している」とだけ述べ、米インド太平洋軍は声明で「周辺国と国際社会に脅威を与えている」と批判した。

北朝鮮の巡航ミサイル発射は今年に入って3度目で、これまで力を入れてきた弾道ミサイルから巡航ミサイルまで兵器の開発領域を広げ、長距離化、高度化していることを公開してきた。北朝鮮は、弾道ミサイル開発で長距離から短距離まで、さらには変則起動が可能なミサイルまで多様な能力も公開した。今回北朝鮮は、低高度飛行で防空網を避けて攻撃できる巡航ミサイルを、それも日本まで射程距離に置く長距離ミサイルを開発したのだ。

北朝鮮のミサイル試射は、3月25日の短距離弾道ミサイル発射以来ほぼ6ヵ月ぶり。今回の巡航ミサイルは、弾道ミサイルとは異なり国連の対北朝鮮制裁の対象ではない。日米韓の北朝鮮核問題を話し合う日米韓首席代表協議、中国の王毅外相の訪韓に合わせて、低強度の挑発で反応を見ようという意図がうかがえる。巡航ミサイルは、爆弾を搭載した無人機としては速度は遅いが、レーダー探知が難しく、正確度が高い。小型化した核兵器を装着した可能性もある。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は1月の党大会で、「中長距離巡航ミサイルなど先端核戦術兵器を開発した」と公言している。

このように北朝鮮は、各種新兵器開発で脅威を強めているにもかかわらず、韓国政府の反応はのんきだ。軍当局は、事前に、または事後に捉えたのかも明らかにしていない。北朝鮮は1月22日と3月21日、短距離巡航ミサイルを発射したが、発表しなかった。韓米政府もこの事実を公表せず、メディアを通じて明らかになった後も、深刻な挑発ではなく「通常の軍事活動」との考えを示した。

しかし、今回は北朝鮮が「長距離」を強調して対外発表までした。米国も、インド太平洋軍が声明を出して警告した。にもかかわらず韓国軍は、決まり文句のように「分析中」とだけ云々する。大げさに騒ぐことではないというが、一言の遺憾や懸念の表明もない。韓国にもそれに匹敵する巡航ミサイルがあるとして国民の不安を払拭する努力すらない。これだから北朝鮮は対話も対決でもない膠着状態を楽しみ、邪魔されることなく核ミサイルの開発時間を稼いでいるのだ。