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見知らぬ人を歓待せよ

Posted September. 06, 2021 08:46,   

Updated September. 06, 2021 08:46

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「親切でありなさい、なぜならあなたが出会う人は皆、それぞれ大変な戦いに挑んでいるのだから」(作者未詳)

悲しみと怒りが心の奥底からマグマのように沸き立つ時、思い出す言葉がある。プラトンの言葉とされているが確かではない。とても憤り、他人に微笑を浮かべる心の余裕もない時,この言葉を繰り返し口ずさみ、自らを慰める。私を傷つけたまさにその人も今日、いや生涯休む暇もなく、大変な戦いに挑んでいると。私に親切でない人、私を非難する人に会うたびに、この言葉を言いかえてみた。にもかかわらず親切であれ。天が崩れても親切であれ。私を悲しませた人々は、私に表わした敵愾心よりも千倍は辛い、人知れぬ苦痛を耐えているのだろう。

この言葉と双子のように似た言葉にパリの書店「シェイクスピア・アンド・カンパニー」で出会った。「見知らぬ人を歓待しなさい。その人はもしかすると変装した天使かも知れないのだから」。2015年、パリで起きたテロの直後、どこへ行っても銃を持った警察官のために委縮していた私に砂漠のオアシスのような言葉だった。

悲しみが極限に達した時は、ニーチェのもう少し厳しい言葉を思い出す。「私を滅ぼすに至らないすべてのことが、私を強くするのだ」。そしてぜひ、他人に親切であるように、私自身にも親切にしよう。私が味方にならなければ、この世のどこにも頼れる所がない、思ったよりも不憫な自分自身のために。私を激しい生の戦場に送り出す時、私は家を出るたびに、大切な人形を抱きしめる子どものように、涙が溢れそうな目で私が愛した言葉に触れる。気力が湧き、涙が止まり、再び苦痛を耐え抜く力が湧き上がる。私の眩しい友よ、恐れるな。最後には私たちの愛が勝つ。私たちの温かい心がすべての憎悪と偏見を勝ち抜くのだ。