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「代わりにリベンジします、合法的に」

Posted September. 04, 2021 09:22,   

Updated September. 04, 2021 09:22

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深夜、上の階でドンドンと音を立て、眠れなかったことがあるだろう。行って注意するように言っても騒音が止まない時、1度ぐらいはリベンジを夢見る。しかし、小心にも天井を棒で突いたり、ベランダから上の階に小声で文句を言ってみることしかできない。効果はなくても、少しは気が晴れる。

スウェーデンの小説家で、ベストセラー『窓から逃げた100歳老人』の著者は、誰もが考えたことのあるリベンジをテーマにストーリーを展開する。日常において楽しみを見出す著者特有のアプローチが今回の小説でもあらわれる。著者は、隣人ともめ事がある友人のリベンジ計画を立てたことから、この本を書くことになったという。

小説は、広告会社で働くフーゴが、「Sweet Sweet Revenge Ltd」を設立して起こったことを描く。この会社は、日常で経験する些細な争いのリベンジを合法的な方法で代行し、利益を得る。

フーゴの会社に寄せられた依頼の中には、笑えるものが多い。米国にしばらく行っていた16歳のスウェーデン少女の宅配を断ったコンビニ店長に対するリベンジ、練習中にガムをかんだという理由で息子に罰を与えたサッカーチームのコーチに対するリベンジなどが面白おかしく描かれる。

依頼を一つ一つ処理していたフーゴの会社に、ケヴィンとジェニーがやって来る。彼らは、ネオ・ナチズムにはまり、黒人とユダヤ人を嫌悪し、上流層との交流のために美術館で働いた美術品取引人ヴィクトルに対するリベンジを依頼する。

彼らがリベンジを準備して起こった迂余曲折が興味深く描かれる。小説の中には、黒人モデルを個性的に描いた初の白人画家と評価される南アフリカ共和国の表現派、イルマ・スターン(1894~1966)の作品の世界も溶け込んでいる。現代芸術に対する著者の愛情がうかがえる。

著者は、出版社とのインタビューで、「リベンジの概念にはユーモラスな要素もかなり多い」と話した。様々な登場人物が繰り広げる創意的なリベンジを笑っていると、少しの間、パンデミックで無気力になった日常を忘れることができる。


イ・ギウク記者 71wook@donga.com