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青年層へのばらまきに変質した「韓国版ニューディール」

青年層へのばらまきに変質した「韓国版ニューディール」

Posted July. 16, 2021 08:24,   

Updated July. 16, 2021 08:24

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は一昨日、「韓国版ニューディール」宣言の1周年を迎え、「韓国版ニューディール2.0%」政策を発表した。2025年まで投資規模を160兆ウォンから220兆ウォンに増やし、「デジタルニューディール」、「グリーンニューディール」の2つだった柱に「ヒューマンニューディール」を追加した。ヒューマンニューディールには、子どもケアサービスの拡充なども含まれているが、その柱は青年層への現金性支援だ。

年間所得が2200万ウォン以下の青年が、月10万ウォンずつ3年間360万ウォンを貯蓄すれば、政府が360万〜1080万ウォンを上乗せする貯蓄商品を来年発売するという。所得3600万ウォン以下の若者には利息のほか、貯蓄額の2〜4%を上乗せする2年満期の積立て金を提供し、所得が5000万ウォン以下の若者は、納入金の40%が所得控除を受けられるファンドに加入させる。軍服務中に貯蓄すれば、3分の1をさらに上乗せして、まとまったお金がもらえる。このようなことに必要な予算は、年間2兆ウォンずつ計8兆ウォンに上る。

国の未来産業を育成し、気候変動に対応するという「韓国版ニューディール」に、青年対策を組み入れたのはどう見ても不自然なことだ。住宅価格・伝貰価格の高騰で、マイホーム購入の希望を失って就職難に苦しむ青年たちをなだめる政策と見るしかない。しかし一夜明ければ1億ウォンずつ住宅価格が高騰する中で、数十〜数百万ウォンで青年層の歓心を買えると考えたなら誤算だ。

任期が10カ月も残っていない政府が、4年もの政策に「釘を刺す」ように出したのも適切ではない。与野党の大統領選挙候補らが次々と打ち出している現金ばら撒き公約とあいまって、国の借金はさらに増やすことになるだろう。韓国人1人当たりの国家債務は、来年2000万ウォンを上回る。今、配る金は、青年世代が一生税金で返す借金をさらに使うものだ。持続可能性も高くない。「来年大統領選挙が終われば『韓国版ニューディール』は用途廃棄されるだろう」という言葉が公務員の間から出ている。

政府が若者のために今すべきことは、通帳に国の金を入れることではない。高騰した住宅価格に挫折した青年を落ち着かせるためには、規制一辺倒の不動産政策からあきらめ、住宅供給を大幅に増やさなければならない。さらに、画期的な規制革新と労働改革で企業採用、起業を活性化し、職務教育への投資を増やし、新型コロナが終わった時、若者が望む場で働けるようにしなければならない。