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与党が仲裁法を奇襲上程、選挙を控えて批判メディアを牽制か

与党が仲裁法を奇襲上程、選挙を控えて批判メディアを牽制か

Posted July. 08, 2021 08:24,   

Updated July. 08, 2021 08:24

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与党「共に民主党」がメディアの故意・重過失による虚偽操作報道の場合、損害額の最大5倍まで賠償するようにし、すべての訂正報道を新聞1面またはインターネットの初期画面、放送初めの画面に掲載するようにする案を推進している。6日、国会文化体育観光委員会法案審査小委を開き、発議された13件の言論仲裁法改正案を奇襲上程した後、このような内容の総合版修正意見を出した。

懲罰的損害賠償はこれまで、メディアの批判機能を萎縮させる違憲的過剰立法という指摘が絶えなかった。フェイクニュースによる被害救済を大義名分に掲げたが、すでに刑法と民法に名誉毀損と侮辱罪処罰および損害賠償が具体的に明示されている。懲罰的損害賠償の導入そのものを廃棄すべきなのに、むしろ損害賠償の規模を「最大3倍」から「最大5倍」に増やす案を出したのだ。

さらに懲罰的損害賠償は、権力が批判メディアに轡(くつわ)をはめる手段に悪用される素地が大きい。同党は、政務職や選出職の公務員などに対しては、「被害者を害する目的がある場合に限って適用する」と説明しているが、耳を覆って鈴を盗むようなものだ。「被害者を害する目的」ということ自体が争いの余地が多いためだ。結局、気に入らない報道機関に対する権力の訴訟乱発につながり、該当メディアはもとより他の報道機関の報道まで大いに萎縮するほかない。

訂正報道を新聞は1面、放送は最初の画面などに掲載せよとの強制条項もそのまま通過する場合、世界で類例のない悪法になるだろう。同党は当初、新聞の場合、訂正報道を同一紙面に記事の2分の1以上の大きさで掲載するという案を検討した。訂正報道の大きさを一律的に強制すること自体が深刻な編集自律権の侵害だが、1面に配置しろというのだから、言葉を失う。

法案審査小委には、メディアバウチャー制度を通じて政府広告を執行する政府広告法改正案なども発議されている。事実上、人気投票方式で新聞の影響力を評価し、政府広告を執行するという発想だ。政治志向によって投票結果が変わる可能性があり、言論市場のかく乱につながる恐れがあるため、直ちに廃棄されなければならない。

同党は、言論仲裁法の修正意見に対して、「まだ確定した案ではない」としつつも、23日に本会議処理など速度戦に出る態勢だ。来年の大統領選を控えた政治的試みと疑い受けるに十分だ。フェイクニュース問題は、メディアの自浄努力と現行の言論関連法の厳格な適用で改善していくのが正しい。