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韓米またもコンピューターシミュレーションの合同演習、北朝鮮を勢いづかせるだけだ

韓米またもコンピューターシミュレーションの合同演習、北朝鮮を勢いづかせるだけだ

Posted July. 05, 2021 08:07,   

Updated July. 05, 2021 08:07

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韓米政府が、今年下半期の合同軍事演習を8月第2週にコンピュータシミュレーション方式で実施することで大筋合意し、細部の議論を続けているという。今年上半期の合同軍事演習の時のように大幅に縮小された規模で、野外機動演習なしに図上練習だけを実施するということだ。このため、韓米合同軍事演習は2018年以来4年間、機動演習を行っていない。

韓米合同軍事演習の縮小は、すでに文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「新型コロナウイルスのために大規模な演習は難しくないか」と発言して以来、政府与党内外で絶えず演習中止または、縮小の主張が出ていたため十分に予想されていた。バイデン米政権も外交を優先に置いた北朝鮮核問題の解決を掲げているため、北朝鮮を対話のテーブルに引き出すには、ひとまず北朝鮮を刺激しないのがよいということで意見が一致したとみられる。

しかし、韓米合同軍事演習の縮小は、北朝鮮を勢いづけている。合同軍事演習の縮小は南北、米朝間の首脳外交が行われた2018年に対話継続と挑発停止を前提に始まった。しかし、2019年末から北朝鮮はすべての交渉を拒否し、対話でも対決でもない不明瞭な緊張局面が続いている。短距離ミサイルで韓国に対して挑発しながらも、核と長距離ミサイルの挑発は自制するようなふりで警告だけし、核能力を高める時間を稼いでいるのだ。

このような正常でない状況が4年間続き、北朝鮮に対する軍事態勢の弱体化だけでなく、在韓米軍の存立根拠も危ぶまれるのではないか懸念が高まっている。合同軍事演習は、在韓米軍の駐留と韓米連合軍体制とともに、韓米同盟の根幹を成す核心軸だ。実質的な機動演習もなく、大隊級以下の演習だけをやっている韓米連合軍では、北朝鮮の奇襲挑発への十分な対応が困難であることは言うまでもない。

今回の合同軍事演習縮小の知らせも、米国の有人・無人偵察機などの戦略兵器が韓半島周辺の上空に集結していた時に出てきた。北朝鮮軍が1日に夏季訓練に突入したうえ、7月4日の米独立記念日に合わせた北朝鮮の大型挑発の可能性に警戒を強めるための措置だが、真に挑発を阻止するための力のアピールと備えは、まず北朝鮮をなだめようという情勢管理の主張にいつも押されている。これだから金正恩(キム・ジョンウン)総書記まで「対話にも対決にも準備する」という邪悪な言葉の遊びで韓米を愚弄するのだ。