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制度導入100年で新秩序迎える法人税、産業戦略の新たな枠組みを作れ

制度導入100年で新秩序迎える法人税、産業戦略の新たな枠組みを作れ

Posted June. 08, 2021 08:08,   

Updated June. 08, 2021 08:08

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米国、日本、英国など先進7カ国(G7)の財務相らが5日、ロンドンで会議を開き、グローバル最低法人税率15%を導入することにした。グーグル、フェイスブックなど多国籍企業が本社所在地だけでなく、売上が発生した国に税金を納める案にも合意した。各国の法人税を国際ルールとして強制するのは初めてで、本社所在の国が課税する100年前の国際法人税体系が全面的に変わる状況となっている。

法人税制度が定着した1920年代初めまでは、企業は本社所在地で有形の製品を作って売り、税金を納めていた。しかし、情報技術(IT)の発達で税金の低い国に本社を置き、形のないITサービスを全世界に売る企業が増えた。各国は企業誘致のため、「税金ダンピング」を行い、金を稼ぐところと税金を払うところが違うため、国家間の紛争が少なくなかった。このような対立をなくすというのが今回の合意の背景だ。

韓国は法人税率が25%(地方所得税を除く)と高い方であるため、最低法人税の影響はすぐには受けない。しかし、税金体系によっては企業が動き、産業構造が変わることもありうる。韓国企業は低税率国に473の海外法人を置いているが、最低法人税制が導入されれば、そこに法人を置く実益が減る。企業各社は本社や工場、サービス地域などを巡り、新たな戦略を練らなければならない。政府も海外進出企業の国内Uターンはもちろん、外国企業の誘致案を見直すべきだ。

今回の合意案は、「最も大きくて収益性の高い多国籍企業」から、利益率10%超過分のうち20%を当該売上が発生した国で課税する内容を盛り込んでいる。海外メディアはグーグルなど、米ビックテック企業を取り上げているが、適用対象が拡大すれば、韓国企業も海外に納めなければならない税金が増える可能性がある。

今回の合意は来月、主要20カ国(G20)会議や10月の経済協力開発機構(OECD)会議などで具体化する予定だ。主要メンバーである韓国はこの場で、韓国企業の立場と税収確保に役立つよう積極的に声を出さなければならない。政府は新しい課税体系が大きな枠組みで韓国産業にどのような影響を及ぼすかを綿密に検討し、企業と共に対応戦略作りにも乗り出さなければならない。