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「初期防疫で成果を出した韓国と台湾、緊急さ感じずワクチン接種で遅れた」 米ジャーナリストが指摘

「初期防疫で成果を出した韓国と台湾、緊急さ感じずワクチン接種で遅れた」 米ジャーナリストが指摘

Posted June. 07, 2021 07:22,   

Updated June. 07, 2021 07:22

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「致命的な病気が、世界保健危機を触発する恐れがある」

2017年6月、国際政治専門家のファリード・ザカリア氏(57)は、自らホストを務める米CNNの看板番組「ファリード・ザカリアGPS」でこのように警告した。それから3年も経たずに、ザカリア氏の警告は新型コロナの流行で現実となった。ザカリアは今年4月に出版された「パンデミックの次の世界のためのテンレッスン」(民音社)で、コロナ禍後の国家間協力を強調した。多国間主義を拡大し、公共サービスを拡大して新型コロナによって深刻化した世界的な二極化現象を緩和しなければならないという。

ザカリア氏が見守ってきた韓国のコロナ対応はどうだったのだろうか。ザカリアは最近、東亜(トンア)日報との書面インタビューで、「韓国は生物学的脅威がどれほど深刻なのか悟り、素早く対応した」と評価した。続いて「私がこの本を執筆していた昨年8月、韓国のコロナ拡大ペースは非常に鈍かった。ほかの国にも劣らない防疫成果を出した」と述べた。

氏は、韓国の初期防疫成果が良好だった要因として、社会的統制を受け入れる文化を取り上げた。氏は「東アジアの比較的厳格な文化が防疫成功をもたらした。一方、相対的に緩い欧米世界が期待に及ばなかった理由も文化で説明できる」と主張した。いくら政府の防疫政策が優れていても、一般市民らがこれを信頼せず、従わなければ無用の長物だという。

氏は20世紀後半、韓国の漸進的民主化と経済近代化などの国の力量も防疫に一役買ったと分析した。「韓国は半島国家だが、(北朝鮮に遮られて)事実上、島同然だ。台湾、豪州、ニュージーランドのように陸上国境線のない島国は防疫成果がかなり良かった」と分析した。

しかし、これらの国々のワクチン接種率は、米国や英国などに比べて低いほうだ。氏は、「韓国のようにウイルスとの戦いで勝利した国では、政府や国民が緊急さを十分に感じられなかった。これによりワクチン接種の遅れという結果をもたらしたのだから皮肉なことだ」と指摘した。米国など、パンデミック初期防疫に失敗した国はワクチン接種に死活をかけた反面、韓国などはそうでなかったという。氏は、「韓国はグローバルワクチンの開発で中心的な役割を果たせないまま、独力であくせくしてきた」と述べた。

では、今後の解決策は何だろうか。氏は、韓国は迅速なワクチン確保と共に、接種の励ましに乗り出す必要があると提案した。小さな町の薬局、大型競技場、地下鉄駅などに至るまで、広範囲にワクチンを接種する米国の事例を挙げた。「米国では宗教指導者も、信者たちにワクチン接種を促した」とし、「正常な生活回復を約束することこそ、ワクチン接種のための強力なインセンティブだ」と強調した。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com