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対中国で協力を確認した韓米…同盟拡張のジレンマの克服が課題だ

対中国で協力を確認した韓米…同盟拡張のジレンマの克服が課題だ

Posted May. 24, 2021 08:15,   

Updated May. 24, 2021 08:15

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韓米は21日、バイデン政権発足後初の首脳会談を通じて、従来の安全保障中心の伝統的な同盟関係を経済と新技術、さらには気候変動のようなグローバルな協力に大幅に拡張することで合意した。特に、韓米新技術同盟は、米国が中国を牽制するためのサプライチェーン(供給網)の再編に積極的に参加することなので、中国の警戒心を刺激する可能性が高い。韓米共同声明には中国が敏感になる「クアッド」(日本、米国、オーストラリア、インド4ヵ国の協力枠組み)と台湾、南シナ海問題まで含まれ、反発も予想される。

 

今回の首脳会談の結果を見ると、中国の挑戦に対抗した韓米協力の強化は、原則的な約束の水準にとどまらなかった。韓米は、共同声明だけでなく詳細な説明書まで作成し、半導体や次世代通信システム(5G・6G)、バッテリーなど米国主導の新たなサプライチェーン(供給網)構築に対する具体的な約束と計画、投資額まで明らかにした。韓米間の長年の新技術協力と依存度を振り返ってみれば極めて自然な流れだが、鋭い米中対立の中で中立地帯に留まろうとした韓国にとっては、米国に一歩近づき、中国とは距離を置こうとしていると映ることは避けられない。

特に、中国は今回の韓米首脳会談の結果をめぐって、韓国が米国の中国牽制路線に本格的に合流したと解釈し、露骨な警戒心を表わす可能性もなくはない。中国官営のネットメディアは、クアッドや台湾、南シナ海などの言及をめぐって「内政干渉」だと反発している。韓米ミサイル指針の撤廃を通じてミサイルの射程距離の制限を完全に解除したことに対しても、中国は米国が長距離ミサイルを配備するための手続きではないかと疑っている。

しかし、今回の会談の結果、どこにも中国を直接ねらった内容はない。さらに、中国が敏感に反応し得る問題でも、米国の立場だけでなく、これまで韓国が堅持してきた立場を共に反映した原則的水準で言及したのが大半だ。米国のインド太平洋戦略は、韓国の「新南方政策」と関連しており、クアッドに対しても開放性・透明性・包容性を強調している。同盟として米国の立場を支持しながらも積極的には加担するつもりはないという慎重な外交ということだ。

70年間の韓米同盟は、間欠的に亀裂と遅滞があったものの、安保を越えて多次元複合同盟に着実に発展してきた。韓国が米国に一方的に安全保障を依存した非対称同盟は互恵的対称同盟に変貌しつつある。このような同盟の拡大と深化は、周辺国の警戒心を高める「安保ジレンマ」、「同盟ジレンマ」状況に陥ることはやむを得ない。米国との同盟を堅固にしつつ、中国との協力も失わない韓国の外交力が注目される時だ。