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EU、「米、ワクチン輸出規制から解かなければ」

EU、「米、ワクチン輸出規制から解かなければ」

Posted May. 10, 2021 08:30,   

Updated May. 10, 2021 08:30

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欧州連合(EU)首脳らが、新型コロナウイルスワクチンの知的財産権保護の一時免除よりも、米国が輸出規制を解くことの方が先だと強調した。バイデン米大統領が明らかにしたワクチンの知財権保護免除への支持は世界的なワクチン不足事態の即時解決にそれほど役に立たないということだ。

フォンデアライエン欧州委員長は7日(現地時間)、ポルトガル・ポルトで開かれたEU首脳のオンライン会合後の記者会見で、「知財権保護を一時免除しても短期・中期的に見ればワクチンの供給にはつながらない」とし、「ワクチンの輸出を拡大するEUのようにすべての国がワクチンの輸出拡大を約束するのが望ましい」と強調した。

バイデン氏の知財権放棄を歓迎したフランスとイタリアの首脳も同様の主張をした。フランスのマクロン大統領は、「知財権保護の免除ではなくワクチンを世界的に分配することが至急だ」とし、「米国は、ワクチンとその原材料の輸出規制をやめよ」と主張した。イタリアのドラギ首相も、「特許を放棄することはワクチン生産量の拡大を保証しない」との考えを示した。米国は国防生産法を動員して、ワクチンや原材料、製造装備が米国内に優先的に供給されるようにしている。

世界貿易機関(WTO)でワクチンの知財権保護の一時免除を合意しても、実際に複製ワクチンが生産されるには精密な工程と多くのノウハウが必要だという意見が優勢だ。ワクチンを製造する米モデルナ社の最高経営責任者(CEO)バンセル氏は今年2月、「世界の需要に応える複雑な複製ワクチンを速やかに製造できる会社はない」とロイター通信に話している。


趙鍾燁 jjj@donga.com