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アカデミー賞の常連から映画制作者に、ブランシェット「朴贊郁監督とコラボしたい」

アカデミー賞の常連から映画制作者に、ブランシェット「朴贊郁監督とコラボしたい」

Posted May. 03, 2021 08:16,   

Updated May. 03, 2021 08:16

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アカデミー俳優賞に7回ノミネートされ、映画「ブルージャスミン」(2013年)と「アビエイター」(2004年)でそれぞれ主演女優賞と助演女優賞を受賞したアカデミーの常連。「コーヒー&シガレッツ」(2003年)で1人2役、「マニフェスト」(2016年)では1人12役まで演じた「1人多役」の鬼才。ボブ・ディランの生涯を描いた映画「アイム・ノット・ゼア」(2007年)、演劇「リチャード2世」で男性役を演じ、性別も自由に行き来する演技の天才。女性「ツートップ」主演に同性愛の素材という壁で10年以上も制作されなかった映画「キャロル」(2015年)に主演として出演したのはもちろん、自ら制作者を務めた粘り強さ。このすべての修飾語を語る人は、ケイト・ブランシェット(52)だ。その名前だけでもカリスマを噴き出す。

1997年「パラダイスロード」でデビューした彼女は、24年間映画や演劇を行き来しながら、独歩的な俳優になった。しかし、彼女を映画制作者と考える人は少ない。映画監督の夫アンドリュー・アプトンと一緒に映画制作会社「ダーティ・フィルム」を設立してキャロルを制作したブランシェットは、2作目にギリシャ監督クリストス・ニコウが演出した「アップルズ」を選んだ。今月、アップルズの韓国公開を控え、彼女と書面でインタビューした。

アップルズは、記憶喪失症が流行病になった世の中が背景となっている。この病気の主人公アリスは、自分の名前も家の住所も忘れてしまった。病院は、彼に新しい経験から記憶を作り出す「人生学習」プログラムを提案する。アリスは映画鑑賞、自転車乗りのような日常から女性と寝ることまで人間の普遍的経験を積み、新しいアイデンティティを作っていく。昨年、ヴェネツィア国際映画祭に審査委員長として参加し、試写会でアップルズを見たブランシェットは、映画の独特な雰囲気に魅了されたという。

「アップルズを映画祭で見ることになったのは大きな幸運でした。不思議で妙な魅力がありながらも、現実世界ではあまりにもありそうな話でした。浮かんでいるようで、頭の中から消えることはなかったのです。その後、クリストスとミーティングをし、会った直後から絶えず会話を交わし、笑いました」。

ブランシェットは総括プロデューサーとして参加し、映画配給を担当した。映画が取り引きされるフィルムマーケットで海外販売に力を入れたのだ。

「映画制作に参加する方法は様々です。監督が何を必要とするのかによってです。クリストスと一緒に働きたいという点は非常に明確だったので、ヴェネツィア映画祭以降、彼から『映画が多様な市場に参入する上で、力になってほしい』と言われたとき、私の答えは当然『イエス』でした。特に今年は(パンデミックで)映画が海外市場に販売されるのが難しかったため、映画が呼吸できる空間を設けなければならないと思いました」。

アップルズは正体不明の原因で人々が集団的に記憶喪失に陥るという点で、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)が世界を襲った現実と似ている。

「映画制作に6年間がかかったため、流行病という概念はパンデミックが発生するかなり前にクリストスの頭の中にありました。もちろん、現在人々は『新型コロナ』で大変な時期を過ごしているので、観客は映画を『パンデミック』というレンズを通じて鑑賞するしかないでしょう。ただそれは偶然の一致です。この映画はアイデンティティと孤独、そして馴染みの喪失についての物語です。その点は時代を問わず響きを与えるでしょう」。

氏は「ダーティ・フィルムがもうすぐ披露する興味深い作品が多い」とし、「韓国監督とのコラボも楽しみだ」と話した。

「ダーティ・フィルムは、朴贊郁(パク・チャヌク)監督と長い間話を交わしています。彼には自分だけの独特な観点があって、物語とキャラクター、観客を眺める驚くべき方式があります。映画に対する私の関心は多岐にわたりますが、最も重要なことは立派で唯一無二の話を持った良い人々とコラボすることです」。


金哉希 jetti@donga.com