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[社説] 米日「制裁履行」、中国「緩和」、北朝鮮に対する韓国の焦りがもたらしたズレ

[社説] 米日「制裁履行」、中国「緩和」、北朝鮮に対する韓国の焦りがもたらしたズレ

Posted April. 05, 2021 08:42,   

Updated April. 05, 2021 08:42

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バイデン米大統領の就任後初めて、韓米日3ヵ国の安全保障担当の高官が2日に会合を開いた。彼らは会合後、共同声明を通じて、「北朝鮮の核および弾道ミサイル計画に対する懸念を共有した」とし、「国連安保理決議の完全な履行」を強調した。早急な米朝対話の再開に共感しながらも、最近の北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する共同の圧迫を忘れていない。しかし、中国の王毅外相は、数時間後に開かれた韓中外相会談で、「北朝鮮の安全への合理的な懸念を解決しなければならない」とし、制裁緩和の必要性を強調した。

今回の韓米日安全保障高官会合は、バイデン政権の新たな対北朝鮮政策を協議するための場だった。北朝鮮の先月25日の弾道ミサイル発射に対する懸念とともに、制裁の完全な履行が繰り返し強調されたことから、同盟との協力による対北朝鮮圧迫という「原則外交」がバイデン政権の新たな対北朝鮮政策の基調になるとみられる。最近、北朝鮮が「強対強、善対善」を強調したことから、米朝間の対話の接点が簡単には見出せないかもしれない。そうであればあるほど、韓米日をはじめとする国際社会の対北朝鮮制裁の協力に隙があってはならない。対北朝鮮制裁の穴が大きくなればなるほど、北朝鮮の核放棄の可能性が低くなることは明確だ。

対北朝鮮制裁と関連して、中朝が密着する姿を見せることは懸念される。王氏が、韓中外相会談で、北朝鮮の安全への合理的な懸念の解決を求めたことがそうだ。この発言は、中国が北朝鮮の体制保証と制裁緩和を強調する時に主に登場してきた。国家安全保障室長が米国で米日と制裁協力を強調している時に、外交部長官が中国で制裁緩和の話をする格好になった。そのうえ、韓国外交部は、「中国側が習近平国家主席の訪韓の意向を再度表明した」と強調し、会談の成果を発表したが、中国の発表ではそのような言及はなかった。習氏の訪韓に対して、韓国だけが一方的にしがみついているような形になったのだ。

 

韓米日3ヵ国の安全保障高官会合と韓中外相会談が同時に開かれるのは、外交慣例上、まれなことだ。同盟も変に見るかもしれない。米中の北朝鮮に対する認識が異なるため、交錯したメッセージが出てくるのは予想されたことではある。しかし、政府が同時に進めたのは、米国を説得して中国の協力を得て、北朝鮮核問題をめぐる対話を早く正常化させるという狙いだったのだろう。しかし、核問題は焦って扱えることではないうえ、米国が「トップダウン」対話に距離をおいており、政府の立場が以前と同じでないということを直視しなければならない。状況がこうであればあるほど北朝鮮をめぐる事案に無理に欲を出しては、事を誤るだけだ。