Go to contents

北朝鮮の弾道ミサイル挑発、トランプ氏が壊した制裁戦線を修復すべきだ

北朝鮮の弾道ミサイル挑発、トランプ氏が壊した制裁戦線を修復すべきだ

Posted March. 26, 2021 08:13,   

Updated March. 26, 2021 08:13

한국어

北朝鮮が25日午前、咸鏡南道咸州(ハムギョンナムド・ハムジュ)付近から東海(トンヘ・日本海)に2発の弾道ミサイルを発射した。ミサイルは60キロの高度で約450キロ飛翔した。4日前の巡航ミサイル発射に続く本格的な挑発行為だ。弾道ミサイルの発射は、昨年3月末の超大型放射砲発射以来。政府は、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「米国の対北朝鮮政策見直しが進行している中、ミサイル発射が起こったことに深い懸念を表明する」と明らかにした。

北朝鮮の25日の挑発は、4日前の巡航ミサイル発射とは違い「弾道ミサイルの技術を利用したすべての発射」を禁止した国連決議違反だ。一部では、米国に直接脅威になる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の可能性も提起されている。しかし、政府の対応は慎重というよりも中途半端だ。緊急NSC常任委を開いたものの「深い懸念」を表明する線にとどまった。菅義偉首相が直接出て、北朝鮮の国連決議違反を強く非難した日本とは全く異なる。

北朝鮮の狙いは火を見るよりも明らかだ。バイデン米政権の新たな対北朝鮮政策が確定する前に存在感を示し、制裁緩和といった譲歩を引き出すという戦術だ。北朝鮮が「寝そびれる仕事は作らない方がいい」と警告したように「戦争と危機の3月」を可視化するということだ。4月15日の金日成(キム・イルソン)主席の誕生日まで脅威を引き上げる挑発を続ける可能性もある。これには、中朝首脳間の「口頭親書」交換によって後ろ盾を得たという自信もあるだろう。

 

しかし、バイデン政権に対する常套的挑発は逆効果を生むだけだ。先のトランプ政権は、「短距離にすぎない」として大したことではないと考え、韓国も消極的に対応した。バイデン政権は「長距離は米国に脅威、短距離は韓国に脅威」といった分離対応に否定的だ。韓米2+2(外交・国防長官)会談の共同声明は、「国連決議の完全な履行」を強調した。射程距離に関係なくすべての弾道ミサイル実験を制裁違反として対応するということだ。

韓米は同盟と国際連帯の次元で、北朝鮮の挑発に毅然として対応しなければならない。北朝鮮を非核化交渉のテーブルに引き出すことも必要だが、それに先立ち悪行を犯しても補償を受けるという、さらには韓米間の仲違いで亀裂を煽るという悪癖から直さなければならない。そうしてこそ同盟の相互信頼、乱れた対北朝鮮制裁戦線も修復することができる。