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インテルがファウンドリーに22兆ウォンを投資、「スーパーサイクル」の春の夢から覚める時

インテルがファウンドリーに22兆ウォンを投資、「スーパーサイクル」の春の夢から覚める時

Posted March. 25, 2021 08:17,   

Updated March. 25, 2021 08:17

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世界最大手の総合半導体企業インテルが、米国内に半導体工場を建設してファウンドリー(半導体委託生産)市場に参入することにした。ファウンドリー業界1、2位の台湾TSMCと三星(サムスン)電子のクライアントを積極的に誘致するという方針も明らかにした。米中の新冷戦に触発されたグローバル供給網の変化が、韓国の半導体産業を揺るがし始めている。

インテルは昨日、200億ドル(約22兆7000億ウォン)を投入して、米アリゾナにファウンドリー工場2カ所を建設する計画を発表した。パソコン、サーバーの中央処理装置(CPU)設計と生産が主力のインテルが、これからアマゾン、グーグル、マイクロソフト、クアルコム、アップルから注文を受け、半導体を代わりに製作するという。これらの企業は皆、三星電子とTSMCの主要顧客だ。インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者は、「アジアに集中している半導体製造施設を、米国と欧州で確保する」と述べた。

インテルの決定には、ライバル企業AMDの追撃など、他の理由もあるが、バイドン政府の政策が決定的な影響を及ぼした。バイデン大統領は2月末、半導体など4つのコア分野のグローバル供給網を点検せよという行政命令を下し、米国で半導体を生産する企業に莫大な支援を約束した。

最近、欧州連合(EU)も2030年まで、世界半導体生産の20%を欧州内で実現させるという計画を発表した。1345億ユーロ(約180兆ウォン)を投入して、域内半導体の生産規模を2倍に増やして、アジアへの依存度を下げるということだ。中国をコア部品、素材の供給網から排除しようとする米国、欧州の外交・安保戦略が、韓国産業に否定的な影響を及ぼす可能性が高まっている。

韓国の三星電子、SKハイニックスは、Dラム、NAND型フラッシュメモリで世界最高の競争力を備えている。しかし、注文型半導体、半導体生産装置など、他の分野では米国、台湾、日本に依然として引けを取っている。日本車用半導体工場で火災が発生すると、現代(ヒョンデ)・起亜(キア)自と政府関係者が台湾に駆けつけ、さらなる物量を要求しなければならないのが現状だ。世界2位の三星電子のファウンドリーシェアも、1位のTSMCの3分の1水準に過ぎない。

各国政府は、国の未来戦略のために半導体産業育成に積極的だが、韓国は投資、技術開発、人材育成などを代表企業の「個人技」だけに頼っている。新型コロナで抑えられていた消費が噴出し、半導体価格が上昇するスーパーサイクルの甘い夢に陥って、世界各国が高く積み上げている自国優先主義の壁に適切に対処できなければ、わずか数年後、輸出韓国は奈落へと転落しかねない。