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同盟間の意見の相違の調整に失敗、中朝の誤った判断と米の傍観を招く

同盟間の意見の相違の調整に失敗、中朝の誤った判断と米の傍観を招く

Posted March. 20, 2021 08:15,   

Updated March. 20, 2021 08:15

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韓米は18日、「2+2(外交・国防長官)会談」で、中国と北朝鮮に対する意見の相違を露呈した。両国が採択した共同声明は、「中国」、「非核化」といった韓半島と北東アジアの懸案の核心ワードはなく、同盟として原則的な相互公約を盛り込んだ。しかし、共同記者会見は違った。ブリンケン米国務長官は、「強圧的中国」、「圧制的北朝鮮」と非難し、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は「平和プロセス」に向けた米朝交渉の再開を注文した。

このような「言葉と文字が別」の会談結果は、ひとまず異なる立場と考えを了解し、今後合わせていこうという趣旨と理解したい。韓米が緊密な協力の下、「完全に調整された対北朝鮮戦略」も設けると明らかにしたので、もう少し見守る必要もある。しかし、あらわれた著しい見解の相違もそうだが、それを隠さず露呈した方式を見ると、ただ文書には「良いこと」を書き、各自の言葉は別にしようと合意でもしたように映ることは懸念される。

米国の新政権の発足は、アジア情勢の急激な変化を呼び起こしている。バイデン政権は、中国に対する包囲網の構築を最優先政策に定め、迅速に動いている。米国の強力な牽制路線に対抗した中国の対応も侮れない。双方は19日、アラスカで開かれた初の米中の外交トップ会談で、少しの譲歩もない舌戦を繰り広げた。米中対決は正面衝突のコースに入り、激しい覇権争いに突き進む様相だ。

このような変化にもかかわらず、韓国の関心は南北関係の管理にのみ傾いている。米中対決は、北朝鮮と中国の密着を生み、北朝鮮核問題の解決の障害として作用してきた。北朝鮮はそのような対決ムードに便乗して、韓半島を戦争の危機に追いやった4年前の戦略挑発サイクルを再稼働する態勢だ。対南挑発の脅迫に続き、長距離ミサイル挑発の動きまで見せている。米国と対決する中国がそのような北朝鮮の挑発を抑えるために影響力を行使するかは疑問だ。

米中対決が激しくなり、北朝鮮が挑発を試みる敏感な状況で、韓米共同の対応は切実だ。それゆえ今後数週内に出てくる対北朝鮮政策は、約束どおり「完全に調整された戦略」でなければならない。今回も「意見の相違なし」と書き、異なる発言をするなら、韓米はあちこちで不一致を露呈し、北朝鮮と中国の誤った判断を招くだろう。さらには危機が迫っているにもかかわらず米国が傍観し、同盟は「作動不能」に陥るという最悪の状況が全く想定外のシナリオではないと言い切れないだろう。