Go to contents

LGとSKのバッテリー紛争、後続合意に国の未来競争力がかかっている

LGとSKのバッテリー紛争、後続合意に国の未来競争力がかかっている

Posted February. 16, 2021 07:58,   

Updated February. 16, 2021 07:58

한국어

米国際貿易委員会(ITC)が10日(現地時間)、LGエネルギーソリューションがSKイノベーションを相手取って起こした「電気自動車バッテリーの営業秘密侵害訴訟」で、SKイノベーションの営業秘密侵害を認め、今後10年間、米国内でのバッテリーの生産と輸入を全面禁止する判決を下した。60日間の大統領審議期間中にバイデン大統領が拒否権を行使しなければ、今回の判決は直ちに効力が発生する。

これまでITCの判決に対して、米大統領が拒否権を行使した事例は極めて珍しい。したがって、産業界の関心は、審議期間の60日間、両社が合意するかどうかに集中している。両社の合意に注目するのは、今回の判決の波紋が広範囲な上、バッテリーが韓国の未来成長産業として重要な意味を持っているからだ。

電気車用のバッテリーは2030年、全世界の市場規模が約215兆ウォンと試算されるという。両社と三星SDIの韓国3社は昨年、世界市場の34.7%を占めるほど競争力を持っている。中国CATLとシェア1位を争うLGエネルギーソリューションは、技術力で世界1位と評価されている。SKイノベーションも、忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)と米ジョージアに工場を建設して、グローバル先頭グループを狙っている。しかし中国と日本企業の牽制も強く、「欧州バッテリー連合」も域内自給に乗り出している。

両社間の紛争には、米州政府間の利害関係はもちろん、フォルクスワーゲン、フォード、起亜(キア)など自動車メーカーとの供給網構成問題も複雑に絡んでいる。両社の紛争が何の実利もない自尊心対決になれば、中国などの外国企業だけが漁夫の利を得る可能性もある。こうした最悪の結果だけは何としてでも避けなければならない。

外国でも、同じ国籍のグローバル企業同士で紛争をすることはある。しかし国の未来を左右する重要な事案では、「善意の競争」を展開すると同時に、国益を考慮した戦略的提携や妥協をするのが一般的だ。LGとSKは、今回の紛争が両社だけの問題にとどまらず、未来の産業競争力全般にわたって大きな影響を与えるということを認識すべきだ。何よりも重要なことは、実質的な決定権を持ち、虚心坦懐に意見を交わす対話チャンネルを稼動することだ。両社がともに「ウィン・ウィン」できる合理的解決策は、率直な対話を通じてだけ見つけることができるだろう。