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米民主主義の歴史に致命的な汚点を残した不服と分裂の政治

米民主主義の歴史に致命的な汚点を残した不服と分裂の政治

Posted January. 08, 2021 08:02,   

Updated January. 08, 2021 08:02

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トランプ米大統領の大統領選の結果受け入れ拒否に同調する支持者らが6日、バイデン次期大統領の当選を確定させるための上下両院合同会議が開かれていた連邦議会議事堂に乱入し、議員が避難する騒動が起こった。議会を占拠した支持者らと警察官が対峙し、警察官に撃たれた死亡者を含め支持者4人が死亡し、52人が逮捕された。大統領選不服運動が議会占拠という前代未聞の事態につながり、1776年の建国以来約240年間続いた米民主主義の歴史に大きな汚点を残すことになった。

 

同日のトランプ支持者の抗議デモは予告されたことだったが、議会乱入にまで至ったのは、トランプ氏の助長とほう助の責任が大きい。トランプ氏は、ホワイトハウス近くの公園で開かれた抗議集会で、大統領選の結果を受け入れない考えを明らかにし、支持者が議会に乱入した後、平和的なデモを呼びかけたが、解散を求めず「愛国者」と称えた。民主党だけでなく共和党内でも退任まで2週間も残っていないトランプ氏に対する弾劾の声が大きくなり、混乱が加重されている。ワシントン市は、大統領就任式翌日の21日まで非常事態を宣言した。

今回の事件は、トランプ氏の在任4年間の深まった米国の分裂ぶりを示すだけでなく、世界で民主主義の価値を牽引してきた米国の基本精神がどれほど毀損されたかを克明に示す。「不名誉と恥」と米大統領経験者は嘆いた。英国、ドイツ、カナダ、欧州連合など欧米の世界指導者が「恥ずべき光景」とし、平和的な政権移行を強調した。トランプ式極端主義が自国に伝染するか懸念する警戒の声に聞こえる。

 

トランプ氏は退任後も不服主張を続けることを予告したため、かなりの期間、このような混乱が続く可能性があると懸念されている。このような手のつけられない選挙不服は、民主主義の基本価値とルールを否定することであり、民主国家の構成員が共有する基本秩序を破壊する行為と見ざるを得ない。

幸いなことは、このような混乱から数時間後に議会が開かれ、上下両院合同会議を再開し、米民主主義システムが堅固であることを示したことだ。ペンス副大統領は、会議開始直後、「暴力は勝ったことがない。自由が勝つ」と述べた。また、米有権者の多くは、米国の理念と価値の復元を約束したバイデン氏を選んだ。特に、共和党の票田だったジョージア州が、大統領選に続き民主党に上院議員2議席を与えたことは、バイデン氏に癒しと統合を期待する反対陣営の声も少なくないことを意味する。このような米国の状況は、和解と共生よりも分裂と極端、嫌悪が乱舞している韓国の政界にも示唆するところが大きい。