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「マラリア治療のクロロキン、コロナ予防は立証できない」  食薬処が使用注意を呼びかけ

「マラリア治療のクロロキン、コロナ予防は立証できない」  食薬処が使用注意を呼びかけ

Posted January. 06, 2021 08:12,   

Updated January. 06, 2021 08:12

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食品医薬品安全処(食薬処)は、マラリア治療剤・クロロキン(写真)の新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の予防・治療効果は立証されたものでないと、5日注意を呼びかけた。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を中心にクロロキンに関する虚偽情報が流れていることによるものだ。

食薬処によると、最近SNSを通じて「クロロキンが新型コロナを予防または治療できる」という内容の書き込みが出回っている。海外からの直接購買や購入代行を誘導する書き込みから、服用後効き目があったという感想もある。このため、高齢者を中心に薬局、インターネットでクロロキンを購入しようとする人が増えている。

クロロキンは、マラリア治療剤として開発された専門医薬品だ。昨年3月、米食品医薬品局(FDA)が、「クロロキンは新型コロナの治療効果がある」という試験結果を発表し、米国など一部の国が治療剤として緊急承認した。一時、ドナルド・トランプ米大統領はこれを新型コロナの拡散を防ぐ「ゲームチェンジャー」と絶賛した。

しかし、各国からクロロキンの副作用を巡る懸念が相次いで提起された。英国の研究チームは、新型コロナの患者9万6032人を対象に行った調査で、クロロキン服用者の死亡リスクが34%高まり、深刻な心臓不整脈のリスクも137%高くなったという研究結果を発表した。欧州医薬品庁(EMA)もクロロキン服用後、心臓搏動異常、神経細胞損傷の可能性があると警告した。

これを受け、世界保健機関(WHO)は昨年5月、クロロキンの関連試験を中止し、米国も6月、クロロキンの新型コロナ治療目的の緊急使用承認を取り消した。同月、韓国の新型コロナ中央臨床委員会も、「クロロキンをこれ以上治療剤として推奨しない」と明らかにした。

食薬処によると、新型コロナの重症患者に使われる抗炎症剤「デキサメタゾン」の需要も最近増えている。食薬処は、「デキサメタゾンは免疫抑制作用をして感染症状を悪化させる可能性がある」とし、「クロロキンもデキサメタゾンも、医師の処方によって投与する専門医薬品であるだけに、処方箋なしに薬局で購入、使用してはならない」と明らかにした。


李美智 image@donga.com