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加徳島新空港、特別法の発想を諦めて立地選定の原点から

加徳島新空港、特別法の発想を諦めて立地選定の原点から

Posted November. 19, 2020 08:23,   

Updated November. 19, 2020 08:23

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首相室傘下の金海(キムへ)新空港検証委員会が一昨日、金海空港の拡張案を白紙化するという結論を出すと、与党「共に民主党」は直ちに特別法を制定して、加徳島(カドクド)新空港事業を速戦即決で推進するという方針を明らかにした。予備妥当性調査などのややこしい手続きを経ることなく、すぐに加徳島新空港事業を推進するため、今月中に様々な特例・免除・例外条項を盛り込んだ特別法案を発議し、年内に可決させるという。民主党が院内で絶対多数の議席を占めているうえ、野党である「国民の力」も、来年4月の釜山(プサン)市長補欠選挙を意識して反対するのは難しい状況であると見て、特別法の立法という簡単かつ迅速な方法を選んだのだ。

検証委員会の判断そのものも問題が少なくないという指摘が出ているが、検証委の意見を政府が受け入れて金海新空港案を廃棄しても、すぐに加徳島が東南圏新空港の立地として妥当であるという結論が出たわけではない。東南圏新空港事業は、原点から再検討されるべきであって、今は加徳島新空港しか選択肢がないという主張は、手順を過度に省いた飛躍に過ぎない。

少なくとも7兆〜10兆ウォンが投入されると試算される加徳島新空港事業を特別法によって押し通すことは、多数党の立法権力乱用と言える。立法府を掌握したから、大型国策事業の推進時に必ず経るようになっている事前妥当性検討、予備妥当性調査、妥当性評価などの法的手続きを省いて、勝手に進行するという危険な発想だからだ。国の財政法などにこれらの手順を設けた理由は、どの政権が発足しても巨額の国民の血税が投入される事業を決定する時は、国の財政を勝手に費やさず、効率的かつガラス張りに財政を運用すべきだという意味だ。

政府与党が、2016年に最下位点が付けられた加徳島新空港を再推進するためには、その理由を国民に明らかにして説得する手順が必要だ。事業性検討はもちろん、立地選定自体から、原点から再検討しなければならない。多数党の力で特別法を制定しても、手続き上の正当性を備えたものにはならない。これは外観のみが合法を装った巧妙な立法独裁であり、法治主義を破壊させる行為になる。このように、国民の税金をつぎ込んでおいて、後日新空港が赤字だらけの失敗空港になれば、誰が責任を負うのか。国民のお金を自分のポケットマネーのように使う財政乱用の代表的事例として残らないように、政府与党は法と原則に則って、正常の手順を踏まなければならない。