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自費で世界の図書館300カ所を旅した館長

自費で世界の図書館300カ所を旅した館長

Posted November. 04, 2020 09:26,   

Updated November. 04, 2020 09:26

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道谷(トゴク)情報文化図書館のチョ・グムジュ館長(52)は、自費で世界の図書館を300カ所以上訪問した。旅行に出れば、観光地は後回しにして、図書館だけを探し回った。2日、ソウル江南区の道谷情報文化図書館で会ったチョ館長は、「外国図書館の良さを韓国司書たちにしらせるべきだという意志が大きかった」と話した。彼は最近、世界の図書館文化を紹介する「私の心をときめかせた世界の図書館」(木の鉛筆)を発行した。

氏が本格的に図書館探訪に出たのは2015年。その年に亡くなった姑が、これまで振り込んだ生活費を貯めてかなりの大金を残したのだ。このお金を意味あることに使いたいと悩んだ結果が図書館旅行だった。米大学で文献情報学を専攻し、韓国と米国で10年ほど図書館司書を務めた経験のあるチョ館長には当然の選択だった。

2017年4月に館長に就任する前は、欧州、米国、アジアの図書館に熱心に通った。就任後も、新型コロナ事態までは、祝日連休に年次休暇をつけて、各国の図書館を訪れた。

災害情報システムを備えた日本の図書館、環境破壊を最小化した台湾の図書館、ショッピングモールよりも大きい中国の図書館など素晴らしいところが多かったが、氏の心を取り分け引き付けたのは「ユメディア(Youth+ Media)室」を備えた米国と欧州の図書館だった。ユメディア室は、10〜15歳の専用スペースで、同年代同士が集まって才能を発揮して休むことができる施設が網羅された複合文化空間だ。

米イリノイ州ボーリングブルック市のファウンテンデール公共図書館は、映像とオーディオ機器をレンタルして創作活動を奨励し、シカゴのヘラルドワシントン図書館センターは、静粛を強調する代わりにバンド練習室を提供する。ノルウェーのビブロ・トイエン図書館では、料理を作り、寝ることもできる。

チョ館長は「韓国内図書館にも青少年向けスペースを作るのが、図書館旅行の最終目標になった」と話した。氏が米図書館を訪れた時、「江南区(カンナムグ)の代表図書館だ」と紹介すれば、サイの「江南スタイル」のおかげで豪華な図書館からやって来たと思われて司書らから激しく歓迎されたという。

しかし、人口が4万〜8万人の小都市でも図書館税を納めてもらい、寄付を受けて予算が豊かな米国とは状況が違うのがネックだった。それで昨年、江南区民1000人の署名を集めて、江南区から予算投資の約束を取り付けた。

「韓国は子供たちが不幸でしょう。教育熱の高い江南区がもっとひどいでしょう。塾に置き換えることができる上、親が安心して行かせられるところは図書館が唯一です。すぐにはお金がかかっても施設に投資し、専門家のメンターまで常駐すれば、子供たちは図書館で夢を見つけることができるでしょう」


崔고야 best@donga.com