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「窓を開ければ波が」 在宅勤務の拡大で可能になった江陵での1ヶ月間暮らし

「窓を開ければ波が」 在宅勤務の拡大で可能になった江陵での1ヶ月間暮らし

Posted October. 30, 2020 08:59,   

Updated October. 30, 2020 08:59

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「1ヶ月間、ビーチに帰宅します」

自宅と会社の往復だけを繰り返していた通勤公式に「ビーチ」を加え、自宅→会社→ビーチ→自宅になったら?

新型コロナによって在宅勤務が普及しており、会社員の韓国内での「1ヶ月間暮らし」が大人気となっている。新型コロナ以前の1ヶ月間暮らしは、タイ・バンコク、チェンマイ、ベトナム・ダナン、フランス・パリ、シンガポールなどの海外有名観光地や国内では済州島(チェジュド)を中心に流行した。通常休職、退職または長期休暇を利用して、大学生や退職者、退職者が享受できる特権に近かった。

しかし、最近、非対面勤務の拡大により、業務をしながらも国内複数の中小都市を拠点とした1ヶ月間暮らしが可能になった。大都市を離れて楽しむ「スローライフ」が、一ヶ月間暮らしの利点として挙げられる。

8年目の出版社の編集者であるアン・ユジョンさん(36)は、最近まで自宅のあるソウルを離れて江原道江陵市(カンウォンド・カンルンシ)で過ごした。新型コロナの長期化によって、「家でのみ閉じ込められて仕事をしたくない」という思いが、ある日、ふと頭をかすめた。実際に業務効率も日々落ちていた。他の場所で仕事を続けたいと漠然と考えていた時、江陵を訪れた。市内に一ヶ月間滞在する部屋を借りて、毎日共有オフィスに出勤してリモート勤務を開始した。

日課は、以前とあまり変わっていない。午前8時半に起きて、小川に沿って歩いて橋を渡り、共有オフィスまで続く1.5キロの道を歩いて出勤する。昼休みや仕事の後は、周辺観光地を回ったり、主にオフィスの近くのビーチを訪れた。週末は、東海岸の一帯を簡単に見物できるのも長所だ。アン氏は、「仕事と家のあるソウルを離れてはならないような気がした。いくら忙しくても知人、仕事の関係者が打ち合わせを要求するたびに会わなければならなかった。しかし、ここで仕事を手放さずに、一人だけの時間を楽しんだ。業務効率も上がった」と話した。彼女は、一ヶ月間の暮らしを終えた後、毎日記録した日記をまとめて本も発刊した。

ソウルにある金融会社で3年間勤務しているキム某さん(27)にとって、リモート勤務は新型コロナの前までは夢にも思わなかった日常だ。会社でノートパソコンを支給して、在宅勤務を推奨した。キム氏は、「特定の日は会社に行かなければならないので、一週間のうち何日かは江原道の共有オフィスで働いている。オフィスのコンセプトであるので、会社並みに業務に最適化しており、ぱっと開けた周辺の自然環境のおかげで、業務効率も上がる」と語った。

江陵で共有オフィス「パドサロン」を運営するチェ・ジべク代表は、「今年の客は、月に30人を超えて昨年より2倍以上増えた」とし、「ソウルや京畿(キョンギ)地域から訪れる30代や40代の会社員が多い」と話した。情報技術(IT)開発者、デザイナー、フリーランスに限られていた客の業種は、徐々に一般企業の会社員へと多様化する傾向にある。

地方自治体も国内での一ヶ月暮らし、1週間暮らしのブームに乗った「デジタルノマド」の会社員の迎え入れに力を入れている。全羅南道(チョンラナムド)、全羅北道(チョンラブクド)、慶尚南道(キョンサンナムド)などでも、田舎での1ヵ月間暮らし、空き家での一ヶ月間暮らしなど、様々なプログラムを出している。最近、文化体育観光部の公募事業に選ばれて参加者を募集した「康津(カンジン)での一週間暮らし」には、約1000人が集まった。

旅行やアクティビティ・プラットフォーム「ワグ」のソン・ウユン代表は、「長期滞在をしながら余裕を楽しみ、仕事もする2人以下の規模の1ヶ月間暮らしが増えている。既存の有名観光地である釜山(プサン)、済州、江原道をはじめ、複数地域の都心近くの小さな町までが一ヶ月間暮らしの商品種類を拡大するだろう」と明らかにした。


キム・ギユン記者 pep@donga.com