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「在韓米軍の現状維持」が抜けたSCM、同盟葛藤の顕在化が懸念される

「在韓米軍の現状維持」が抜けたSCM、同盟葛藤の顕在化が懸念される

Posted October. 16, 2020 08:21,   

Updated October. 16, 2020 08:21

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エスパー米国防長官は15日、ワシントンで開かれた韓米例年安保協議会の(SCM)で、在韓米軍駐留経費負担交渉と関連して、「米国の納税者に不公平な負担が及んではならない。米軍の安定した駐留を保証するために可能な限り早く合意しなければならない」と述べた。米国が負担交渉と在韓米軍縮小を結びつける可能性を示唆したのだ。SCMの共同声明には例年とは違って「在韓米軍を現水準で維持する」という内容も含まれなかった。

今年SCMでは、韓米間の同盟懸案をめぐる意見の相違が現れた。韓国国防部は、今回の会議で在韓米軍の規模に関する議論はなかったと強調するが、米国は負担引き上げのための圧力手段に在韓米軍縮小カードを取り出したことを示す内容が少なくない。共同声明で、「在韓米軍の水準維持」の内容は消え、その代わりに「現在の(負担)協定の空白が同盟の態勢に持続的に影響を及ぼす恐れがあることに注目する」という内容が含まれた。

戦時作戦統制権の移管をめぐる意見の相違も際立った。徐旭(ソ・ウク)国防部長官が「移管の条件を早期に整えよう」と述べたが、エスパー氏は「条件を満たすには時間がかかる」と強調した。共同声明には、「条件が十分に満たされなければならない」と指摘された。米国防総省報道官は、「期限を定めることは両国の兵士と国民を危険にさらしかねない」とも述べた。戦作権の早期移管を望む韓国政府に反対の意向を明らかにしたのだ。

 

負担引き上げと戦作権をめぐる意見の相違が、在韓米軍の撤収または縮小問題につながることは予想されたことだ。安定的な駐留と演習の条件が整っていないのに、韓国軍に戦作権まで移管すると期待することは最初から無理なことだった。さらにトランプ大統領の頭の中には、在韓米軍と負担の増額、そこに北朝鮮核交渉が組み込まれている。

今は、米大統領選まで20日も残っていない敏感な時だ。今すぐに負担増額が合意に至ったり、解決策を見出されたりすることは難しいだろう。ただし、年末の米政治の不確実性の中、同盟葛藤が顕在化することないよう韓米間の意見の相違の調整に韓国の外交力を結集しなければならない。同盟懸案は、米大統領選の結果に関係なく最優先にしなければならない常時の課題であることを忘れてはならない。