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当惑する米、「北朝鮮、完全な非核化交渉に応じよ」

当惑する米、「北朝鮮、完全な非核化交渉に応じよ」

Posted October. 12, 2020 08:57,   

Updated October. 12, 2020 08:57

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米政府は、北朝鮮が10日、新しい大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公開すると「失望している」とコメントし、不快感を示した。トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と2回の首脳会談を行い、対北朝鮮外交に力を入れたが、米国人が懸念するICBM技術の向上で応えたことを受け、北朝鮮に警告メッセージを送ったのだ。

北朝鮮が新しい戦略兵器を公開し、トランプ政権は当惑するムードだ。トランプ氏はこれまで、自身が正恩氏と良い関係を維持したことで北朝鮮との戦争を防げたと強調し、政治的功績に掲げてきた。しかし、米紙ワシントン・ポストは、「米国を射程圏に置いた北朝鮮のミサイル開発は、『2回の首脳会談で北朝鮮はもはや核の脅威でない』と主張したトランプ政権の権威を弱める」と指摘した。

 

米政府はまた、北朝鮮との対話の意向を明らかにした。米政府高官は10日(現地時間)、東亜(トンア)日報に、「大統領と正恩氏がシンガポールで掲げた(非核化に対する)ビジョンを続けていく」とし、「北朝鮮に完全な非核化達成に向けて交渉することを求める」と述べた。ひとまず11月3日の大統領選までは北朝鮮の挑発を阻止し、状況を管理する考えとみられる。

米国の専門家たちは、北朝鮮が米国の対話要請に応じるよりも、大統領選の結果を天秤にかけて対米圧力カードをちらつかせると見ている。米政策研究機関「ヘリテージ財団」のブルース・クリングナー上級研究員は本紙に、「北朝鮮の軍事パレードは挑発的ではなかったが誇示的だった」とし、「誰が米国の大統領になっても、北朝鮮は2021年に新しいICBMを発射実験するだろう」と見通した。

米民主主義防衛財団(FDD)のデイビッド・マクスウェル上級研究員も、「北朝鮮は軍事パレードを通じて、核兵器やミサイルだけでなく別の種類の伝統的な兵器まで軍事力を高めたことを誇示しようとした」と指摘した。ミドルベリー国際学研究所東アジア不拡散センターのジェフリー・ルイス所長は、「米国が迎撃機を開発する速度は、北朝鮮が弾頭を作る速度に追いつけないだろう」と強調した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 ニューヨーク=ユ・ジェドン特派員 lightee@donga.com · jarrett@donga.com