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北朝鮮に気を遣って照明弾も使わない捜索、国民殺害は永久未解決になるのか

北朝鮮に気を遣って照明弾も使わない捜索、国民殺害は永久未解決になるのか

Posted October. 06, 2020 07:51,   

Updated October. 06, 2020 07:51

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軍と海洋警察が、北朝鮮軍に殺害された韓国国民の遺体捜索のための夜間捜索の時、照明弾を一発も使わなかったことが明らかになった。

夜間捜索では航空機や近隣の島で数十~数百発の照明弾を撃って視野を確保することが基本だが、今回の捜索には境界地域という理由で照明弾が使われなかったのだ。さらに軍警は北朝鮮との衝突を懸念し、北方限界線(NLL)から南に8キロ以上離れた海域で捜索活動を行っているという。

先月21日に韓国国民が行方不明なってから2週間続いている捜索活動は、当初の軍当局の発表どおりならこのように長くなることはなかった。北朝鮮軍が遺体を燃やす蛮行を犯したという軍の発表とは違って、北朝鮮は浮遊物だけを焼却したとして遺体毀損を否定し、捜索活動が秋夕(チュソク、陰暦8月15日)の連休も含めて続いているのだ。しかし、夜間捜索は事実上、あきらめ、その領域もNLL近隣は排除するとは、本当に捜索の意思があるのか疑わせる。このようなやり方では、捜索活動自体が、北朝鮮が主張した通り遺体が海のどこかに漂っているかも知れないという感じを強める、遺体焼却発表を弱める効果だけ招くのではないかという疑念を抱かざるを得ない。

 

北朝鮮軍上部の銃殺指示と遺体毀損の有無は依然として明らかでない。野党は、韓国軍が当時入手したという諜報を公開し、軍のお粗末な対応を連日叱責している。しかし、政府は口をかたく閉じている。韓国国民が「越北」したという「迅速な」判断とは全く異なる。国防部も5日、野党が公開した諜報が事実かどうかについては触れず、「敏感な諜報事項が任意に加工され、無分別に公開されている」と遺憾と懸念を示した。

このような態度は、政府が北朝鮮の釈明電話通知文について、「異例・肯定的」と評価した時にすでに予告されていた。北朝鮮は、電話通知文で独自調査したという事件の経緯を一方的に明らかにし、「申し訳ない」という金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の謝罪を伝え、事実上、それで終わらせたい意向を明らかにした。その後、北朝鮮は韓国側の捜索活動をめぐって「領海侵犯」と警告し、真相究明に向けた共同調査など韓国側の要請には一切反応していない。

今、南北間の水面下ではどのような議論が交わされているのか分からない。しかし、迅速に全力を尽くしても足りない捜索活動ですら北朝鮮を刺激するか心配する状況で、共同調査をまともにできるのか疑問だ。統一部は5日、北朝鮮側に「一日も早く応じることを期待する」と呼びかけた。これでは国民殺害事件は南北関係に追加されたさらなる永久未解決事件になってしまうのではないか。