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独裁時代を連想させた都心での車の壁と抜き打ち検問

独裁時代を連想させた都心での車の壁と抜き打ち検問

Posted October. 05, 2020 08:47,   

Updated October. 05, 2020 08:47

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警察は3日の開天節(建国記念日)に、ソウル都心で予告された保守団体の車両デモの完全封鎖のために、警察バス300台を動員して4キロの車の壁を立てた。兵力1万1000人余りを投入して、一般市民の光化門(クァンファムン)広場への出入りまで阻止した。光化門付近を通る地下鉄は停車せず通過させ、都心を通る車両は全て止めて、窓を降ろしてから一つ一つ行き先を尋ねた。それでも、裁判所が「車両9台」の範囲で許可した車両のデモは、裁判所が要求した9つの履行条件を遵守した状態で行われた。

国民の命がかかった新型コロナの防疫は、一瞬も油断できない国家的課題だ。感染拡散の震源地になる可能性のある大規模な集会の開催は自制するのが当然だ。そんな名分を背負って、政府はソウル都心の集会封鎖に出たが、警察の対応は過剰だった。警察は、ソウル郊外に検問所90カ所を設置して、車両を無差別に検問し、町を通る一般市民までいちいち抜き打ち検問を行った。

集会とデモの自由は、憲法で保障された国民的基本権だ。政府当局は、このような憲法精神を尊重しようとする最小限の努力を示さなかった。防疫上の注意を守りながら車の中でのみという車両デモさえ禁止しようとしていた警察の発想と過剰対応は、法的根拠も薄い。大統領の強硬対処発言を最大限に実行することだけに没頭した警察指導部の態度は、過去の権威主義的政権時代の操り人形のような公権力の亡霊を蘇らせている。

警察は、9日のハングルの日のソウル都心での集会も、違法集会であれば厳正対応するという。コロナ拡散防止という政府当局の大意に、誰も反対はしないだろう。しかし、その名分がいくら正しい場合でも、公権力を強圧的に総動員する方法であれば、韓国国民が血を流して守ってきた民主主義的価値を毀損することと言える。特に集会封鎖を口実に、一般市民まで通行を抑制することは、民主主義の時針を過去に戻すことだ。光化門のろうそく集会を政権の「象徴」として打ち出す政権なら、少なくとも集会・デモの自由に対しては一レベル高い成熟した対応を見せなければならならない。